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    センリ°F

    メディア欄整理のためのプラス用格納庫。ぷらいべったー以外のサブのシリーズものを置いています。

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    センリ°F

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    現パロ🃏💋🐯宅の居候猫こと🌸

    -🃏相手プラスだけど逆ハー(なのか?)
    -🐯は🃏💋宅の同居人
    -🃏がある日🌸を拾ってきた
    -恋人というよりもほぼペット扱い
    -ゆるくシリーズ予定

    ##同居人シリーズ

    猫を拾った話兄が猫を拾ってきたときは驚いた。ローは元々悪い目つきを更に酷くさせて「ドフラミンゴ、女を家に連れ込むんじゃねェ」と睨みを効かせたが、ドフィは心底理解できないといった顔をして溜め息を吐いた。
    「これが?冗談だろ」
    そんなファーストコンタクトだったせいで、"猫"と俺たち(主にローだが)との関係は良好ではない。…はずだった。
    ドフラミンゴ家のリビングダイニングには、ガタイのよすぎる大人が座っても余裕あるソファが2つ、L字に置いてある。ほかでもない、無駄に図体のでかい兄と俺のためだ。もちろん、同居人であるローもなかなかタッパがあるのでそのソファの恩恵にあやかっているのだが。
    「おい狭ェ。座るんなら向こうのソファに行け」
    「ヤダ」
    ソファに寝転んで悠々と読書に勤しんでいたローの腹の上に、うつ伏せになって猫が寝転んでいる。ローは迷惑そうだが、無理矢理退かしたりはしない。猫は読書の邪魔をしないからだ。ただ寝転んでいるだけ。
    尤も、なんのために、というところは謎のままだが。
    キッチンの換気扇の下でタバコをふかしている俺は、それを見てるだけ。止めたりしない。なんでかって?
    「コラさん、気づいてるなら何とかしろ」
    「ヤダ」
    チッ、と舌打ちするロー。目つきが悪すぎる。止めたりしない。なぜならお前らがかわいいから。
    これに関してはドフィも全く同じことを言うだろう。ってか言ってた。フッフッフ…可愛いじゃねェか、仔猫が戯れてるみたいでよ、って。
    ローは我が家の猫ちゃんに厳しい。といっても俺たちに比べて、というレベルなので普段のローを知っている人間からしたらアレはゲロ甘対応だ。
    自分の上から退かないとわかると、ローは胸に乗っかっているあたまを本置きにして読書を再開させた。
    俺からしたらローもまだまだ若く、可愛い時期なのだが、あのふやふやしたいい匂いのする身体を自分の上に乗せたまま、読書を続けるのはなかなか鋼鉄の理性だと思う。
    無論、猫ちゃんに関しても同じ。つまりに何が言いたいかというと…
    「あいつら、毎度のことながら距離感がおかしいな」
    「ドフィ」
    いつの間にか帰宅した兄が、コートを脱ぎながら呆れたように言った。そう、そういうこと。
    当初はあんなに野良猫に対して不審感をあらわにしたローは今、どういうわけかあんなことになっているのだ。絆されたにしても、どこをどうしたらああなるのか分からねェ。
    「帰ったぞ」
    「おかえりー」
    「早かったな」
    この家の主の帰宅でさえ、ソファの上のかわい子ちゃんたちにはどうでもいいことらしい。だらだらしたまま生返事を返す。
    しかし、兄はそれすらも嬉しいらしく、ローの腹の上でだらだらしている猫の頭を撫でた。
    「今日は夕飯を作ってやろう。フフ…リクエストはあるか?」
    「たくあんと青菜のおにぎり」
    「…じゃあそれに塩サバつけてくれ」
    リクエストがシブすぎる。食の好みが合うのではなく、猫に好き嫌いがなく、偏食のローが食べるメニューでも旨そうに食うからだ。
    ちなみに俺が前にドジって丸焦げにしたドリアも「ふつう」と言って食っていた。単に舌がバカなのかもしれない。(もちろん俺は泣いて喜んだし、兄は呆れていた)
    「ローくんは、何おにぎりが好きなの?」
    読書の邪魔をしないとは言ったが、猫は気紛れだ。しかしローは珍しく本から目を離して、うーんと考えている。手持ち無沙汰なのか、無意識に猫ちゃんの髪の毛を弄りだした。
    「基本梅干し以外は何でも食える」
    「食えるじゃなくて、好きな具」
    うーんと、次に考え始めたのは猫ちゃんだ。どうやら色んなおにぎりの味を思い浮かべているらしい。思い出しグルメに顔が輝いている。
    「ちりめんご飯とか、炙り明太子とか、ツナマヨおかかとか、昆布の佃煮とか」
    「…俺の上にヨダレ垂らすなよ」
    「おなかすいてきた」
    「あ、こら」
    すり、という音が聞こえてくるようだ。猫はローの顎ヒゲから頬へと自分の頬を擦り寄せて目を細める。近い。近すぎる。
    ローの読書の時間はおしまいだ。しかし、はあ、と溜め息をついて猫のあたまを撫でる表情は優しい。
    「フフフ…さすがに妬けるな」
    兄の声に心の中でツッコミを入れる。どっちにだよ。しかしこちらもやはり、溜め息混じりにソファへ腰を下ろすドフィの表情は柔らかい。
    「おいドフラミンゴ、ちんたらしてると腹を空かせたコイツに食われちまう。早く作れ」
    「フフフフフ…悪食だなァ?」
    悪い子だ、と笑ってあたまを撫でて、猫をローの腹の上から持ち上げたドフィ。腕の中でくるりとひっくり返すと、しなやかな身体は素直に動く。
    幼児のようにドフィの胸に収まった猫ちゃんは、主人の耳にそっと擦り寄った。
    兄はこの生き物をたいそう気に入っているらしく、自分が移動するときは何処へでも連れて行こうとする。家の中ではそれが顕著だ。今だって着替えのためにバスルームへ向かうというのに、その腕の中のヤツをどうするつもりなんだ。
    俺の溜め息など気にもせず、兄は猫を抱えたままキッチンを去り、ローは読書を再開させる。俺はといえば肩を焦がすタバコの煙で火災報知器を鳴らし、あとでドフィに額を小突かれるのであった。
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