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    センリ°F

    メディア欄整理のためのプラス用格納庫。ぷらいべったー以外のサブのシリーズものを置いています。

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    現パロ🃏💋🐯宅の居候猫こと🌸

    -🃏相手プラスだけど逆ハー(なのか?)
    -🐯は🃏💋宅の同居人
    -🃏がある日🌸を拾ってきた
    -恋人というよりもほぼペット扱い
    -ゆるくシリーズ予定

    ##同居人シリーズ

    独占欲の話何もソファに3人座ることはないのにと、ロシナンテは思っているが口には出さない。まずもって、あの神経質なローが、膝に頭を乗せられているのに無反応・無頓着なのだ。そこがソファだろうが床だろうが関係ないのだろう。
    なんなら、エアコン直下でTシャツにホットパンツという格好の同居人の腹に、怪獣柄のブランケットをかけてやる甲斐性すらある。
    空色のショートパンツから伸びる脚はしろい。パイル生地のルームウェアは肌触りがよく、着ている本人以外もお気に入りであった。柔らかだが異なる手触りを愉しめる。
    それは、愛猫にルームウェアを買い与えている男が目下最もよく感じていることであった。
    ローの膝枕で映画を見ている猫は、その隣へどっかり座るドフラミンゴの膝へ、もとい脚へ、白い太腿と脹脛を悠々と伸ばしている。お世辞にも行儀がいいとは言えない。
    それは百歩譲ってヨシとする。しかしロシナンテの目は映画ではなく、その白い脚を至極愉快そうな顔で撫でる兄に向けられていた。
    インドア派の同居人の肌は夏の訪れにも鈍感で、まだまだ日焼けを知らない。しかし兄は本人より日焼けに敏感で、外出時は首筋へはもちろん、二の腕や脚へも日焼け止めを塗り込んでやっていた。当の本人は面倒そうだが、拒否する理由もないらしく、いつも大きな手のひらにされるがままになっている。
    その手が滑らかな太腿をすべる。内腿は特に日に焼けず、うっすら血管が透けるほどの白さである。サングラスの向こうで、兄が目を細めるのがわかった。
    ロシナンテの正常な脳みそからすれば、あの二人の関係はおかしい。もちろんローとの距離感もなかなかにおかしいが、放っておけば日が昇って沈んだあとも永遠にくっついていそうなほど、兄は同居人を何処へでも連れ回す。しかし、兄が思うほど猫は兄の思い通りにはならないらしく、だがそこがいいらしいのだ。つまりは、あのふたりの関係はおかしい。
    ドフラミンゴの太腿の上で膝を立てた同居人は、膝小僧を擦り合わせるようにゆらゆら揺らし始めた。映画に夢中で、兄のことは本気でどうでもいいらしいが、粗末に扱われているはずの本人はむしろいっそう嬉しそうな顔をしていた。
    ロシナンテは確信した。兄上のトコから絶対にパンツ見えてる。というか履いてるのか?
    予想はたぶん合っていて、立てられた膝を手のひらでゆっくり撫で回した兄は、柔らかそうな脹脛を持ち上げて太腿の裏側を揉み込むように触っている。際どい手つきだが、猫は特に気にならないらしい。
    しかし得意の気紛れで、ローの膝の上でころりと寝返りを打つ。横向きで、すっかりローの太腿の上へ頬を乗せてしまったせいで、兄の手からはするりと脚が逃げた。
    ローの手が太腿の上の髪をぐしゃりと撫で始めた。ほとんど無意識らしいが、猫が嫌がっていないところを見ると心地はいいのだろう。
    対して兄はといえば、ホットパンツと肌の境目をゆっくりと撫でていた。というかほとんどそれは弄っているんじゃないか?とロシナンテは思った。だって、ホットパンツと肌の境目って、それほぼお尻じゃん。
    そしてロシナンテの正常な脳みそからすれば、兄がローから愛猫を取り上げないのも妙であった。なんならあの距離感は俺には許されていない気がする。いや、怒られたことはないが。
    結局映画の内容も3人の距離感もよくわからないまま、エンドロールを迎えてしまった。世界、救われたんだっけ?見たいと言った同居人ですら欠伸をしているから、つまりそういうことなのであろう。柔らかな身体はもう眠そうだ。ローの膝の上で頭を縮こめる。
    「…オイ、ここで寝るな」
    「ンー」
    グシャ、とローの手が髪をかき混ぜると、タイミングよく兄の大きな手が伸びてきて、ブランケットごと猫の腰を引き寄せた。胸の中へすっぽり収め、乱れた前髪を唇でかき分けるようにしてキスを落とす。
    「フフ…やっと捕まえたぞ」
    「ずっと撫で回してたくせによく言うぜ」
    「お前に譲ってやってたんだ、ロー」
    「要らねえ」
    膝を抱えるように小さくなった猫の、きれいに畳まれたしろい脚。愛おしげに撫でる兄の顔つきは優しいが、明らかに独占欲が透けて見える。
    「ねむい」
    「あァ、退屈な映画だった」
    しかし、嘯く兄の口元へ首を伸ばして頬を擦り寄せる同居人の姿にも、酷く背徳感めいたものがある。
    「エアコンですっかり冷えちまったな」
    あっためてやろうか、と太腿を撫でて囁く兄は本気である。ウンと答える同居人の心中は分からないが。じゃあ生脚が出るルームウェアを買うなよ、とローみたいなツッコミが湧き上がるが胸の奥にそっと仕舞って。兄は愉しくて堪らないのだ。
    凪のように静かな弟は、兄上とその愛猫が世界のハッピーエンドになど微塵も興味もなさそうにリビングを後にするのを、タバコに火を付けながら見つめていた。
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