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    ichi_fksg

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    フェルヒューワンドロワンライ  お題:すれ違い、枕(※R18)

    ##フェルヒュー

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    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    3.遭遇・上
     三学級合同の野営訓練が始まった。全ての学生は必ず野営に使う天幕や毛布など資材を運ぶ班、食糧や武器等を運ぶ班、歩兵の班のどれかに入りまずは一人も脱落することなく全員が目的地まで指定された時間帯に到達することを目指す。担当する荷の種類によって進軍速度が変わっていくので編成次第では取り残される班が出てくる。

    「隊列が前後に伸びすぎないように注意しないといけないのか……」
    「レオニーさん、僕たちのこと置いていかないでくださいね」

     ラファエルと共に天幕を運ぶイグナーツ、ローレンツと共に武器を運ぶレオニーはクロードの見立てが甘かったせいでミルディンで戦死している。まだ髪を伸ばしていないレオニー、まだ髪が少し長めなイグナーツの幼気な姿を見てクロードの心は勝手に傷んだ。

    「もう一度皆に言っておくが一番乗りを競う訓練じゃあないからな」

     出発前クロードは念を押したが記憶通りそれぞれの班は持ち運ばねばならない荷の大きさが理由で進軍速度の違いが生じてしまった。身軽な歩兵がかなり先の地点まで到達し大荷物を抱える資材班との距離は開きつつある。

    「ヒルダさん、早すぎる!」
    「えー、でも 2073

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    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    9.典儀・上

     情報には出元と行き先がある。それを見極めずに判断を下すと間違いが起きる。前節、カトリーヌがロナート卿の所持品から見つけた大司教レアの暗殺計画に関する密書は様々な波紋を読んだ。真偽の程は定かではないが対応せねばならない。

     謁見の間に呼び出されたベレトから今節の課題を聞いたクロードは教会があの密書をどう判断したのか悟った。今回も彼の記憶と同じく何者かが教会を混乱させる為に作成した偽物であると判断したのだ。そうでなければ士官学校の学生に警備や見回りを担当させないだろう。だがクロードにとっては丁度良かった。賊の狙いが何処であるのか確かめる為という大義名分を得て修道院の敷地内を直接、自由に見て回れる。賊が聖廟の中で何かを探し、奪いに来たがそこでベレスが天帝の剣を手に取り賊を撃退したことをクロードは覚えているのだがだからといって日頃入れない聖廟を直接探る機会を逃したくはなかった。それにロナート卿の叛乱の時と同じくまたクロードたちが当事者になっている。詳しく調査しておいて損はないだろう。

     ガルグ=マクにはフォドラの外からやってきた住人がクロード以外にも存在する。自然と祖先を 2082

    めがね

    DONEフェルヒューでキスの日。 二人の間ですっかり恒例と化した茶会は、必ず昼下がりに行われるとは限らない。優雅に社交にだけ精を出していればよいだけであった貴族たちの時代とは違うのだ。地位と立場のあるものほど、日々忙しく立ち回らねば国政は回っていかない。改革とはそういうもので、主の目指す道の実現に向けて、邁進する毎日である。よって、どちらもが地位も立場もある人間である自分とフェルディナントとは、お互いに自由になる時間は少ないのだ。
     寸暇を惜しんで政務に勤しむのはどうやら己の性分には適性があったようで、多忙の日々になんら不満など持ち得なかったのではあるが、過労が祟って執務室で昏倒したことをきっかけに、適宜休息とは取らねばならないものだと主とかつての師とに二人がかりで叱りつけられることになってしまった。そこで何故だか巻き込まれてしまったのがフェルディナントである。互いにテフ豆と着香茶の茶葉とを贈り合ってから、時折茶会を開くようになっていたことを、主たちもしっかり把握していたらしい。フェルディナントにもちゃんと休息を取らせたかったからちょうどいい、ベレスはそうにまりと微笑んで、不可解な取り決めを押し付けてきた。
    『フェル 4822