学パロ「ごめん、待たせたね。」
教室のある3階から急いで駆け下りてきたのだろうタルタリヤが、
ほんのり汗を滲ませながら 履きかけのスニーカーをトントンと鳴らす。
「もう終わったのか?」
「うん。それにしても、毎日待ってなくても良いのに。」
そう言いながら扉を開けて外に出ると、肌を撫でる風が心地よい。
運動部の掛け声や、楽器の音。
校内はまだ、活動している生徒たちのおかげで賑やかだ。
「…俺が待ちたいから待ってるんだ。」
「ん、ははっ 嬉しいけどね。どこで待ってるのか分からないから、この時期暑いし倒れてないか心配だよ。」
困ったように笑うタルタリヤとチラリと目を合わせて、
ははっ と至極楽しそうに笑うだけだった。
手が触れそうで触れない距離感を保ちながら肩を並べて歩く。
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