Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    水玉@nonbinobi

    @nonbinobi

    UNDERTALEのサンフリ♀中心で自由にやってます。
    無断使用禁止、加工禁止。
    サンフリ♀とスパクリ♀?しかない成人向け作品は全て未成年の閲覧を禁止しています。
    ロマンス表現上フリスクは成人してるのですが見た目がそうじゃないものもあります。
    男性向け表現なモノも沢山ありますご注意。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 140

    水玉@nonbinobi

    ☆quiet follow

    SHAMBARA TALE

    プロローグ書きました。

    ##SHAMBARATALE
    ##UNDERTALEAU

    『かの地をゆく諚』

     シャン、シャンと豪奢なその籠には赤、黄色、緑、白、黒の五色の布で飾られ大ぶりなものから小ぶりなものまで沢山の鈴がついていた。
     その籠を六人の男達が支えて運び、うやうやしく行列を作って運んでいたがみな男達は修行僧のような貫頭衣でその籠をみた人々は籠に向かって祈るようにお辞儀をして行列を見送った。
     俺は、その籠の中身がなんなのか知っていて行列に加わり道具を運ぶ役目を担っている。
     あの籠の中には、少女が入っていた。齢14の女の子で、神の子と崇められ、今から神の住まう土地に行きそこで生涯神の元で御役目を果たすのだ。
     この土地ではなんら不思議ではない昔からの風習がまだ根強いしきたりを俺は恨んでいた。
     どうして彼女が、これは人身御供ではないのか。この地に生まれなければ、ここで人間でなければ、どんなによかった事だろう。
     男は彼女が好きだった、彼女も同じように好いていてくれたが、村の決まりで神の子と決まってからこのしきたりのため決意を固めてしまった。
     「ごめんなさい、さようなら」
     泣きながら最後に交わした彼女の口づけが震えていた事を男は知っている。
     なにが神だ、何が神の子だ、好きな女一人守れなくて、生涯を誓い合うこともできなくて、俺は何をしているのだ。
     絶対に、彼女を救ってみせる。

    男は密かにその機会を虎視眈々と狙っていた。

    『もうひとつの扉の向こう』

    フリスクはさくさくとその黄色い花畑を歩く。
    大切な友達と別れを告げて、自分の名前はフリスクなのだと伝えた時に「いい名前だね」と泣きそうな笑顔の彼は優しい表情だったのがとても印象的だった。

    この地底世界ではもうお別れなのだと思うと寂しくて、ルインズの仕掛けの壁に書かれたトリエルの文字をなぞったり、スノーフルにあるパピルスとサンズが作った雪像を見たり、ウォーターフェルのピアノを弾いたり、ホットランドの研究所のモニターを見たり、ニューホームの棺の部屋をお辞儀した。

    「よう、みんなに挨拶は済ませたか?」

    謁見の間に行く所の花が咲き誇る庭のような室内で、スケルトンのモンスターであるサンズが待っていた。
    フリスクより少し背が高いが、サンズは小柄な方のモンスターなので目線が合わせやすい。
    あまり顔に表情を出さないフリスクよりもニンマリとシニカルに笑う顔が印象的だが、今はもっとにんまりしているように見える。

    「うん、みんな新しい地上が楽しみだって。嬉しそうだった」
    「そうか、そうだよな。みんなの念願だ、その顔の様子だとみんなも良い顔してたんだな」
    「みんなと話し合って、一緒にでられるんだもの、僕だって嬉しいよ」

    地底世界では初めて出会ったモンスター達とどうやってコミュニケーションをとればいいのかルインズでトリエルに教えてもらった。

    その後も色々な事があったけれど、おかげでみんなとこうして仲良くなれた事で外に出ることができるのだ。

    それと、もう一つわかったこともある。

    「そうか、よかったな」
    「!」

    手袋で包まれた手が優しく頭を撫でる。どうあったって子ども扱いなのだが、照れとは明らかに違う胸のときめきに顔に熱があつまる。

    いろんな経緯があるが、フリスクはこのサンズに恋をしている。ただ、きっとまだ子どもだし。何より……

    「さ、いつまでもこんな所でボーンとつっ立ってたらパピルス達に怒られるから行こうぜ」
    「……寒い」

    サンズはコメディアンもしていたところから、ダジャレが止まらないちょっとサムイモンスターなのだった。
    自分でも、どうして好きなのかと思ってしまうが、彼に優しくしてもらわなければ助からなかった事も沢山あるのだ。
    この地底世界での思い出は、フリスクには何よりも宝物だから。

    「さあ、みんな。そしてフリスク、準備はいいかい」

     アズゴア王の言葉にうなずくみんなの表情を見て、フリスクは扉を開ける。
    バリアーのあった扉は大きく重たくて、それでもゆっくりと開いてゆく。

    さあっと吹き抜ける風が、フリスクはこれまでも嗅いだことのない空気の匂いがしている。
    明るい陽光と、肥沃な大地、地上を夢見たモンスター達はこの明るい世界に歓喜の声で感動していた。

    しかし、サンズはフリスクの様子がおかしい事に気づく。

    「どうした?フリスク」

     フリスクの隣に立ち、顔を覗くと明らかな戸惑いと焦燥の入り混じった雰囲気が見てとれた。
    フリスクを見たサンズの様子にも気づいたのはトリエルやアンダイン達だ。

    「……ちがう、ここは」
    「違う?」
    「ここは、僕の知ってる地上じゃない……!」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏❤👏💯
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works