心配くらいさせて 朝起きてすぐに自分の不調に気付いた。喉の違和感にズキズキと痛みを主張してくる重い頭に少し汗ばんだ体温の高い体。布団に入っているはずなのに悪寒がして、これから時間が経つにつれて更に熱が上がっていくことを教えられる。
(熱出すなんていつぶりだ…?)
頭が痛むなか記憶を掘り出せば案外すぐに見つかった。中学の頃、ちょうど爺ちゃんが短期で入院してた頃に一度熱を出していたこと。その時も今みたいに家に一人だった。恋人である悟さんは昨日から3泊4日の出張に行ってるので明後日まで帰ってこない。
前回と同じような状況だし、その時も1人でやり過ごせたから今回も大丈夫だろう。幸い今日から三日間任務などの予定もない。そう高を括ってこの後の為にまだ熱が上がりきらないうちに動き出した。
5129