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    あまね

    @amn_Amode

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    あまね

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    兄貴サンド3️⃣🅿️
    もういっそそういうシーンは読者さん各自のご想像にお任せで良いのでは🤔

    「本当はしたかったんだろう? 俺にこういうこと」
     背中から抱きしめられ耳元で囁かれた。吹き込まれた息の熱さに身震いをし視線だけで背後を伺うと、切れ長の眼を楽しげに細めた表情と目が合う。よく見知った顔のはずなのに色の乗った表情がどこか別人のようにも感じられた。 背中に触れる引き締まった身体に白を基調とするぴったりとしたパイロットスーツを纏う姿は過去の映像でしか見たことのないものだった。
    「兄、貴……?」
     戸惑いつつその名を呼ぶタツミの下でもう一つの影が身動いだ。
    「タツミ、よせ」
     呼ばれて視線を下に移すと、両腕の間に組み敷いた黄色いスーツ姿のリュウジが困惑を孕んだ瞳で見上げてくる。常に顔を上げ前を向き続けてきた兄の見せる怯えた姿にタツミの喉が無意識に鳴った。

     初めての出撃はぶっつけ本番だった。なにせ適合率のテストはこっそり受けたものの、その後リュウジからシンカリオン運転士になることに対して猛反対に合い訓練すらまともにさせてもらえていなかった。羽島指令長と二人で話を進めていたのが余計に気に入らなかったらしい。自分だって速杉さんと二人だけで勝手に決めたくせにとタツミも内心で不満を募らせた結果、一時は家庭内で絶交状態に陥った。子ども三人だけで暮らす清洲家の特殊な環境の中で上の兄二人のそんな状況に息苦しくなった末妹ミユの告げ口紛いの報告から入院中の母カエデの知るところとなり、結果ハヤトの取りなしでなんとかことは丸く収まった。
     ハヤト以外の他の運転士は事前に知らされていたかいなかったかの差はあれど、シンカリオン・シムを使ったシュミレーションをしていたと聞く。すったもんだの初陣の後何度かタイミングを見計らっていたが運悪く出撃が続き、ようやくタツミにも訓練の機会が回ってきた。
     指導員の浜松から「こちらの方がタツミくんは慣れてるだろうし」と実機をシュミレーターがわりにする提案を受け、リュウジと二人それぞれの愛機に乗り込んだ。すっかり馴染んだ運転席に座ってレバーに手を掛けたところまではタツミの記憶にあったが気が付くと運転台は消え、超進化速度に達したときに現れるはずのコックピット空間に立っていた。さらにタツミを驚かせたのは目の前に現れた見慣れたドクターイエローのスーツのリュウジと初めて見るN700Aのスーツを纏ったリュウジだった。

    「俺もお前にこうされたかった」
     覆い被さるリュウジがなおも誘うような言葉を投げ掛けた。早鐘を打つ心臓から勢いよく押し出された血液がタツミの白い首筋を、頬を朱に染めていく。
    「や、めろ! お前は誰だ……!?」
    「俺はお前だよ、清洲リュウジ。血の繋がった実の弟に欲情する哀れな男だ」
    「……え?」
     自身を挟んで前後で言い争う二人のリュウジの言葉にタツミの口から声が漏れた。
    「違う!!」
    「違わないだろう。タツミのことを考えながら抜いていたくせに」
     タツミにとって衝撃的な内容を綴る白いリュウジの口調は、からかうでも糾弾するでもなくただ淡々と事実を述べるといった様子だった。背後からもたらされた言葉にタツミが驚きを隠せないまま黄色いリュウジの顔をうかがううと色をなくした表情で視線を彷徨わせていた。
    「本当?」
     張り付いたように固まった喉からなんとか声を絞り出す。否定も肯定も返ってこないかわりに腕の下の体がびくりと震え、歯列を小刻みに鳴らす姿が事実を物語っていた。
    「兄、貴……」
     以前からリュウジのいない時に部屋に微かに残る気配で自慰をしていたのであろうことには何度か気付いていた。男同士だからこそわずかな気配の違いでわかったが、それでも慎重に隠されていたからタツミが敢えてリュウジとの話題に出すことはなかった。まさか自分がネタにされているとは思いもしなかったが不思議と嫌な気分ではなかった。







    「――ミ、タツミ!」
    「え、……あれ?」
     インカムから聞こえた声にはっとしてあたりを見回すと、そこはタツミが乗り込んだN700Aの運転席そのものだった。その場で腕を持ち上げたり視線を巡らせたりしても着用しているスーツにも運転台にも異常はない。
    「シュミレーション中に居眠りとはいい度胸だな」
     耳に刺さるリュウジの声が冷たい。さっきまでタツミの鼓膜を震わせていたはずの熱の籠った悩ましい吐息の影は微塵も感じられなかった。
    「まあまあリュウジくん。タツミくんも疲れていたのかも知れないし、今日はこの辺で終わりにしようか」
     指令室の浜松からの助け船でリュウジの堪忍袋はなんとか持ちこたえた様子だったが、モニター越しの表情からはただでは済まなそうなことを悟ったタツミは後で盛大な説教を食らう腹積もりだけはこっそりとしておいた。
     モヤモヤとした気持ちを抱えたままタツミが機体を降りて格納庫のホームに立ったところで、リュウジも向かいの車両のドアから姿を見せた。こちらを見ているはずのリュウジと何故か視線が合わないことに違和感を覚えていると顔を上げたリュウジから溜息が漏れた。
    「それをどうにかしてからこい。俺は先に行く」
    「えっ? あっ、ちょっ、待っ……」
     リュウジに指摘されたものが一瞬わからず丸い目をきょとんと開いてタツミが自身を見渡す。やがて、緩いハーフパンツの上からでもわかるほどくっきりと兆した下半身に視線を落としてから天を仰いだ。運転台のコンソールの影でモニター越しのオペレーターたちの視界からはかろうじて逃れていたが、降りてしまった今おかしな体勢でトイレに向かわざるをえなくなった。遠ざかる背中を目で追うとリュウジの足下が心なしか覚束ない様子にタツミは首を傾げた。
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