その次の日の朝のこと/キラ門 見慣れない天井だったのに、なぜかすぐに門倉の家だとわかった。カーテンの上の隙間からぼんやりした冬の光が滲んでいる。朝だ。隣から聞こえてきた寝息に、畳へ落ちていた脚を布団の中へ引き込みながら身体を横へ向ける。門倉が眠っている。枕のぶん少し高い位置にある横顔が、薄暗い中でもよく見えていた。おそらく門倉も半身がはみ出ている。狭い布団に中年男が二人、身を寄せ合うわけでもなく同衾していたのだと思うと少しおかしかった。冷たいシーツに頬を擦り付けたまま、視線だけで横顔の線をなぞる。額、鼻、口。薄く開いた唇があまりに無防備で間抜けだ。下唇が心なしか腫れているのは、キラウㇱが散々吸ったからだろうか。
昨晩この人とセックスをした。
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