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    赤木しげる×カイジしかない
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    ☆quiet follow
    POIPOI 19

    tendoooooooooon

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    包帯「おまえって どこでなら死んでもいいの」

    居酒屋の騒がしさを縫ってのろのろと届く酔っ払いの声
    狭い机を挟んで対面に座っているのに 彼の声を、どうしてこんなに鈍く感じるのだろう。

    どこでなら死んでもいい?

    なんじゃそりゃ、と思うけれども 酩酊男相手に真面目に返すのもめんどくさい。
    会計を持ってやると言ったらこれである。ちゃっかりしている。
    アカギはハイボールを口にしながら すこし考えた。

    どこで死ぬかなんて 自分で選べるものではない。
    願わくば博奕で、と思っているが どうであろうか。己の勘はよく当たる。
    この世は思い通りにならない。

    「アンタが殺してくれるのなら、どこでも」
    酔いから覚めても 彼はすべてを覚えていて、また自分の言葉にぐうぐう呻って後悔する姿が目に見える。なんであんなことを言ったんだ、ああ酔ったまま忘れられたら!と嘆く。
    だからめいっぱい口説いておくのだ。だって、よっぱらってバカになっていれば どんな言葉も聞いてくれる。
    あとで悶絶するがいい。

    「殺さね~よ」
    机に顎を乗せた彼は ビールジョッキに頬をくっつけて 眠るように言った。

    「そう こんなにあんたを愛しているのに つれないな」
    いざという際になればオレを殺す気にはなれる男だ。喉元に刃を突き付けることはできる男だ。
    だけど殺してはくれない。愛情のようなものを見せて、死ぬなと言って オレの世界を踏み越えてくれない。
    馬鹿げている。

    「そうだな あんたが殺してくれないのなら あんたの目の届かないところで どこでも」

    いつかぱたりと訪れなくなったオレを 生きているか死んでいるかと考えてみればいいのにと呪うけれど、
    オレはいまだ 彼の結び目になれない。

    「嫌なやつ~~~」
    「あんたは非道いやつ」

    そう言うと彼はけらけらと笑って、なんで!と言った。
    その気にさせるだけさせて心は包帯で縛り付けたまま 触らせてくれない。ひどい男だ。

    「オレは あったかいところがいい。痛くないところがいいな。できたら明るいうちがいい。」
    立てた人差し指をゆらゆらと振って、彼は機嫌よく言った。

    アカギは笑った。
    彼の死に目の希望は 焼きたてのパンのように甘い。
    鼻をとおり脳を撫でる小麦のにおい。

    こんなに熱烈に口説いているのに、彼の仮想死に目にオレはいない。
    ふざけている。

    アカギのしおらしい気分は今 カイジがバターを塗って食べてしまった。

    まあ、見ていろ。お前のような男は やはり一度わからせてやらないといけない。
    別れる前に お前が包帯で大事に守っているその矜持
    その結び目の端をつまんで 一息に解いていってやるからさ。
    足元からお前の世界を崩して行ってやろう。
    オレを知らずに生きていたころを思い出せなくしていってやろう。

    お前が死ぬとき、オレを思い出せ。オレの死に場所はそこがいい。

    「ねえ 本当に 愛しているよ」





    Tele/包帯

    「ば、か、げている~♪」が頭から離れない



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