神と悪魔「これで大丈夫でしょうか…」
自信なさげであったが、理想は完成した。
少女はくるりと振り返る。その長い髪は、持ち主の少女を包み込んでさらりと溶けた。
「大丈夫ですよ。何も心配することはありません。貴方なのですから。」
跪いて、もうひとりの少女は答えた。
「もう、そんなにかしこまらないでください。なんだか恥ずかしいです。」
黒いローブの少女がそう言うと、跪いた少女は顔を伏せてぎゅっと表情を強張らせた。顔は赤く、口からうぅ…と高い声が漏れた。
「…それではアリス、頼みましたよ。……私はここで戦いますから」
「はい。」
アリス、と呼ばれた少女は立ち上がった。
そして、一礼して部屋を後にした。
残された黒いローブの少女は、魔法陣に指を添えた。
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