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    yu_op106

    @yu_op106

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    yu_op106

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    ⚠︎👒🐯逆行
    ※👒は海/賊/王になった後30で、🐯は四/皇になって47で命を終えましたという捏造
    ※今回👒は出てきません

    ##ルロー

    もう一度/Prologue.『船長は逆行って信じますか?』

    晩年、ずっと苦楽を共にしてきた腹心のペンギンに問われた言葉だ。

    『…強く後悔することがあると死んだ後その時間へ戻るってアレか?馬鹿馬鹿しい』

    『おれね、あると思うんですよ。
    船長にはあるでしょ、強く後悔してること。』

    『…。』

    『あのね、船長。


    "ーーーーーー。"』

    それを聞いた数日後、おれはクルーが見守る中長いようで短い生涯を閉じた。


    もう一度 Prologue.


    しばらくの浮遊感の後にだんだんと意識が覚醒してくる。ゆっくりと目を開けばそこは知らない船室だった。おれは死んだんじゃ、ないのか?

    「ー…起きたか、気分はどうじゃ?」
    「っ、ガープ、屋…?」

    よく知る海兵の声が聞こえて反射的にそちらを向けば記憶の中よりずいぶんと年若い姿の海兵が立っていた。おれの横たわるベッドへと足早に近付いて心配そうにこちらを覗き込んでくる。
    これは、一体、どういうことだ…?

    「あんなことがあった後じゃ、無理もない。それに珀鉛病もだいぶ進行しとるようじゃな…急がねば手遅れになりかねん。村に帰る前に一度大きい軍の病院で診てもらわんとな」
    「…?」

    あんなこと?いやそれよりも珀鉛病だと…!?

    ガープ屋の言葉にばっと自分の腕を見る。あの時確かに治したはずの白い皮膚が見える。その事にショックを受けた後、ようやく気付く。
    腕が、細い。手が、小さい。
    まるで子供の頃のように…。

    『船長は逆行って信じますか?』

    ペンギンの言葉がリフレインする。
    まさか、本当に、そんなことが?

    だとしたらフレバンスはどうなった?ドフラミンゴは?オペオペの実は?……コラさんは?

    「コラさ…っ!!コラさんは!?!」
    「コラさん…ロシナンテ、か。まさか覚えとらんのか?…亡くなったよ。重傷で危篤寸前の体でお前さんを抱いて軍艦の前に現れセンゴクにお前さんを託して逝った」
    「そんな…っ」

    強い、後悔のつもりだった。おれが戻るのならあの人が逝く前だ、と思っていた。でも間に合わなかった、全部終わってた。おれは…あの人の本懐を遂げた事で満足しちまってたっていうのか?そんな恩知らずな事があるか?
    じゃあ本当の後悔は?
    呆然と布団を握りしめて俯く。身体の痛みを感じて咽せ込めば慌てたガープ屋は背中を極力優しく擦ってくる。

    「もう少ししたら病院のある島じゃ、それまでなんとか…っ」
    「ゴホ…ッ…、いや、いい。コレはおれしか、治せねぇ…」
    「何を…!」
    「"ROOM"」
    「!?コレは…!」

    ちゃんと手術室が出た。ぎゅん、と体力が持っていかれるような感覚に眩暈と頭痛を覚えながら"前"と同じように肝臓を取り出す。隣のガープ屋がさらに目を見開くが知ったこっちゃねぇ。ポーチも見つけてシャンブルズして手元へ持ってくれば一箇所に集めた鉛を切り出す為にメスを取り出して深く深呼吸した。コレが一番手っ取り早い。麻酔はない。わかってる。"前"より上手く、早くやれる。
    気合を入れてメスを患部へと滑らせた。

    「カッ…ぐ、ぁああ…ッ!!」
    「!?何しておるんじゃ貴様!」
    「が…ッ、邪魔、するな…!」

    やっぱり尋常じゃねぇほど痛い。吐血しながら患部を切り取っていくおれに声を張り上げたガープ屋を視線と言葉とで制してから鉛を切り出し素早く針と糸で縫っていく。

    「ふ…っ、…ぐ…、……はぁ…」

    無事に縫い終えて肝臓を元の位置へと戻す。徐々に熱や痛みが引いてくる感覚。ふーっと息を吐いてそのまま疲労感からベッドへ倒れ込む。
    そんなおれをガープ屋は真顔で見下ろした。

    「……これがオペオペの実の能力だと言うんじゃな…?」
    「……そうだ」
    「お前さんはその実の恐ろしさを知っとるのか?」
    「…ああ。…痛いほどに、わかってる」

    "前"その所為でどれ程仲間の命を脅かされたか。
    だが、この能力があったお陰で生き延びた命も数え切れず。
    全部ひっくるめておれはこの実を食った事を一度も後悔しなかった。

    「…とりあえずはフーシャ村で暮らしてもらうつもりじゃ。あんな辺鄙な村にまで悪の手は届くまい」
    「フーシャ村…」
    「なぁにワシも頻繁に様子を見に来る。孫も居るし退屈はせんじゃろ」

    わしわし、と大きな手で頭を撫でられても疲労から振り払う事が出来ず瞼が重くなっていく。

    「まだしばらくかかる。ゆっくり休んでおくんじゃ」

    そう言ってガープ屋は部屋を出て行った。
    ふーと息を深く吐いておれもそのまま睡魔に身を委ねる。


    孫?
    ガープ屋の、孫は、




    『あのね、船長。もしそうなったらその時は貴方が本当にやりたい事を迷わず選んで。今度は後悔しないように。…"おれたち"はその先でアンタをずっと待ってます。合流したら、どんな人生歩んだのか、酒の肴に教えてくださいね。』



    おれの本当の後悔は、きっと、



    『トラ男、…トラ男、…

     …ロー、愛してる…』




    あの言葉に返事をしてやれなかった事だ。
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