「本日の紅茶はアールグレイにしました。お味はいかがですか?」
「俺は紅茶の事そこまで詳しくはないけど…今日の紅茶もとても美味しいよ。」
「そう言ってくださると私、とても嬉しいです!」
アルマンとレモネードアルファの魔の手(悪意を持っていない事は分かるのでこの表現は100%正しい訳では無い)により無職になった俺はある日、エリーにアフタヌーンティー、いわゆるお茶会に誘われた。最初、それがどういったものか見当もつかなかった俺だが、きらびやかなスタンドに目一杯並べられるスイーツ、それを紅茶と共に味わいながら談笑するのが案外楽しく、以来定期的に楽しむことがようになった。
そして現在、職務に復帰してからも定例行事として続いている。最初は不慣れで注意されてばかりだった作法も回を重ねるうちに学んできた。今回も佳境に入ってきたところ、エリーは柔らかい笑顔から一転、やや固い表情になった。
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