選択ある物事から、一つだけ選ぶと言うのが苦手だった。俺は世に言う優柔不断というやつで、誰かの指示の元でその通りに動く方が気が楽だった。
その分それなりの成果を出せるように努力していたが、やはり選択の時というのは回避しようがない場面が出てきてしまう。
この世の終わりというわけでも無いのに、選択を迫られると息が苦しくなって、逃げ出したい衝動に駆られる。
「ほう、選択が苦手か」
「はい。...申し訳ありません」
いや、謝らなくていい。よく話してくれた。と言う鶴見中尉はふむ、と考え込む。
自分の優柔不断不断さのせいで、誰かを。ましてや目上の人間を困らせるなんてと居心地の悪さを感じてきていたところで、彼は口を開いた
「よし。それではこれから私が教育してやろう」
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