「夢」という地獄。澄み渡った青空のもと、草むらの上でポップと空を見上げる。
鳥が空を渡り、太陽がさんさんと輝き、綺麗な虹も見える。
ふと、虹が二重に見えて、なぜか。
これが「夢だ」、と気づく。
瞬間、横で笑いながら寝転んでいたポップが飛び起き、真顔でおれの腕を掴む。
「また、居なくなっちまうのか」
目も、口も、笑ってない。
氷みたいな表情で、おれの目を見てくる。
「これは夢だよ、ポップ」
「お前がここにいるのに、夢なもんか」
「夢なんだ、目を開けなきゃ」
目を見返す。
帰ってくる視線は、冷たさの中に炎を燃やす。
「ここが現実なんだよ」
「たのむ、逝くな」
「ここにいろ、ダイ」
「もうおれを、置いて逝かないでくれ」
目が覚めたのに、暗闇。
空は紅く、月もない。
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