飲み会二十歳になった途端に飲み会が発生するのは何故なのだろう。
先輩たちが顔を赤くしてゲラゲラと笑う中、僕は苦いビールをちまちまと舐めている。少し減らしてはめざとく見つけられてもっと飲めと注がれるビールに辟易していた頃に、理人さんは現れた。
同じように先輩たちに飲まされたのかほんの少し顔を赤くして、それから普段よりもほんの少し髪の位置を低く結んだ理人さん。隣にすとんと座って、初めてのお酒はどうかと笑う。
あまり得意じゃないと思うと返せば、それなら自分の麦茶と交換だと笑って僕からビールを取り上げた。そのまま普通の顔をしてごくごくと飲み干して、こんと音を立ててテーブルの上にグラスを置いた。
今のは、いわゆる。そう考えた瞬間に思わず顔を覆ってしまった。
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