第一歩______お付き合いエピ(?)
(致命傷おっておきながら尚、自分で刺してるから生きてるはずないんだけど本当に奇跡的に助かったってことにしたい。未来を見たいっていう切な願い。)
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体の芯から凍えそうなほどに寒い十一月半ば。年々寒くなっているとニュースで言われているがそのうち地球はバグってしまうんじゃないか。むしろバグって自分だけの時が戻るとかそんなことあればいいのに……なんて夢物語に近いことを寒い空気から身を守るようにして湯船に浸かりながら考える。
「はあ……もうすぐ誕生日か。」
幼い頃は誕生日は毎年楽しみなものだったが、今となればそれは違う。体を湯船に沈ませ口半分まで沈ませるとぶくぶくぶく、と空気を履いて水面を揺らす。今何やってるのかなぁ、リビングで待ってるあの子は…こんな時でも脳内にいるのは圭介の事で自分が酷く彼を溺愛してしまって居るのが改めて実感できる。
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