ライルルについて考えてみたんですよ「いけません!ヴィサス様っ!!」
視界の端にずらりと長い刀を捉え、ルルカロスはヴィサスと背中合わせになる形で敵の刃を受ける。ルルカロスの色とりどりのガラスが嵌め込まれた剣とライズハートの刃のぶつかり合う高い音がした
「貴様は随分とヴィサスに好かれているな、ティアラメンツの姫よ。あいつに媚びる事で貴様の世壊は見過ごしてもらおうとでもしたか?」
「………」
怒鳴り散らすライズハートをルルカロスは睨み返す。この人がヴィサス様の怒りそのもの、そしてこの世壊の主か、とルルカロスはずっとこの男を観察していた。苛烈にして、まるで燃え盛る炎。自分とは対照的な人物である。
流石に腕力差を感じルルカロスは一度ヴィサスと共に一度後ろへ退いた。ライズハートはヴィサスへの怨嗟を呟き続ける。曰く、真のヴィサスはオレだ。貴様は紛い物に過ぎない。ライズハートの後ろにはヴィサスが肆世壊で出会った猛犬が、壱世壊で出会った人魚が象られた機械生命が控えている。
「何だアレ、オレの犬…?」
ライトハートは自身の愛騎を模した機械に愕然としていた。ルルカロスも自身を模した機械に驚きを隠せない。やはり赤いフレームは自身とは、ライズハート自身もヴィサスとも対照的な色で。