『500年後のおれ達は』
海で不思議なことを言う男に出会った。
なぜか初めて会った気がしなかった。
男は、名をルフィと言った。
「おれは酷ェ奴だよなァ」
それがルフィの第一声だった。
ゾロが浜辺で、譲り受けたばかりの真剣を素振りしていた時だった。
ソイツは突然、現れたのだ。
「酷い? お前、なんか悪ィことでもしたのか」
旧知の仲のように、自然と受け答えしたことに言葉を発してからゾロは気付いたが、気配もなく後ろを取られたことに只者じゃないことだけは解った。
「貰った命で、お前を捜してたんだ」
「おれを? 何のために」
「会いたかったから!!」
どーん、とニコニコ笑顔を振りまくこの屈託ない男の顔を、ゾロは知っているような気がした。
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