Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    tasmmm

    @tasmmm

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 36

    tasmmm

    ☆quiet follow

    本誌バレ。🌸🔥前提🏯さん。今週しか見れない幻覚

    はじめまして、もしも悦びに湧く周囲を見渡して、灯城は、なるほど、自分が生き返ったのだと理解したつもりだったのだけれど。探していた知った顔に出会った循環、その確信は微妙に揺らいでしまった。何しろ、見つけた相手は、最期に見た時とほぼ同じ顔をしていたので。
    「ひ、火縄……?」

    はじめまして、もしも

    かっぴらいた瞳孔の前で二度三度手を往復させてみる。どうしようか、と思っていた時、彼の後ろから現れた男に声をかけられた。
    「灯城さん、ですよね?」
    はい、と頷けば彼は弾かれたように笑顔になる。
    「どうも、秋樽桜備です」
    固い握手をしてくれた彼は今の火縄の上司で、火縄は第八特殊消防隊の中隊長なのだという。わかりやすい説明に頷いて、つい火縄の肩を叩いてしまう。
    「すごい、出世したな」
    けれど、火縄は相変わらず幽霊でも見ているかのような—それはそうかもしれないが—顔のままで。多分キャパオーバーしてるんだと思う、と桜備が苦笑する。
    「俺もさっき生き返ったんだけど、その時もこんな顔してたから」
    なるほど、と言ってはいけないような内容を言われているのに、思わずなるほど、と頷きそうになったのだけれど。
    「キャ」
    変な音を火縄が立てたので、反射的にそちらを見た。桜備も自分と同じくらいの速度で彼を見下ろす。2人分の視線に耐え切れなくなったように火縄が俯いた。
    「キャパオーバーくらい、しますよ……」
    消え入るような声に、やばい、と思った瞬間。「あ、大隊長が泣かせた!」
    「え、俺のせい!?」
    大きな声を上げた子供は、おそらく火縄の部下なのだろう。わらわらと集まってくる数人を、まるで本当の子供のように宥めている上司だという男。彼の周りで繰り広げられる光景に、じわじわと口許が緩んでしまって。
    「良かったね、火縄中隊長」
    それでも、うるさい、と返しながら肩を叩いてきた強さは覚えている通りだったから、灯城は笑ってしまった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖😭😭💖😭😭💯❤💕💖☺👏👏💖💘😭💞💞💞👏👏👏👏👏😭💖💖😭😭😭😭😭💖💞😭🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works