愛してる「そういえば、君は俺に『愛してる』とは言ってこないよな。」
そう昼下がりのカフェで俺が呟いた言葉に、可愛らしくヌメラの顔がラテアートされたコーヒーを彼のロトムと一緒にあーでもないこーでもないと言い合いながら写真に収めていたキバナは、キョトンとした顔でこちらに顔を向けてきた。
「え、だってお前『愛してる』って言葉嫌いじゃん。」
「。」
想定してなかった返しに思わず手に持っていたティーカップを取り落としてしまった。もうほとんど飲み終えてはいたが、残っていた液体が今日着てきたお気に入りのカットシャツに染み込んでいくのが分かるが、それどころでは無い。
いや、なんで。どうして。
冷や汗が背中を伝い、心臓がバクバクと音を立て始める。
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