笑えねえから、もうやるな(そよいと) 七月二十三日・快晴。予想最高気温・三十六度。
うだるような暑さが約束された日の午前六時。じわじわと上がる湿度と不快指数。
そして、貴重なオフの日。
本来ならばこんな日に、無闇やたらと屋外へ出ることですらどうかしているのだ。
(けれど、気になるものは気になる……)
長袖とジーンズ。サンバイザー。首にはアイスネックを装着して、もちろん日焼け止めも忘れずに塗っている。完全防備の姿での草むしりは強制されているわけではないけれど、やはり必要なことだと思った。
仕事にも慣れ、任される業務の増加に伴って慌ただしい日々が続く中で、唐突に気がついたのだ。寮のベランダは荒れているとまではいえないけれど、このままだと草が伸び放題で大変なことになってしまう。相場よりも遥かにお手頃な家賃で住まわせて頂いている以上、最低限の手入れはしておきたい。
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