六月のよく晴れた日。雲一つない美しい青空を高層ホテルの窓から眺めながら、ネロは大きな溜息をついた。
調度品一つをとっても高価そうなホテルは、いくら従業員のホスピタリティに溢れているといっても身の置き場がないし、純白のタキシードにはどう考えても着こなすというより着られている。
何より、自分の人生でこんなことが起こるなんて思いもしなかったから、この期に及んでどんな顔をしたらいいのかわからない。
上品な空間と明るい景色に感化もされずに陰鬱な溜息をもう一回ついたのは、つまり、あと一時間かそこらでネロとブラッドリーの結婚式が執り行われるからだった。
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報われるあてのない思いを抱え続けることに疲れて、高校卒業後に自分から姿を消した。
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