嫉妬の噛み跡「おはよう」
Tシャツと下着にローブを羽織っただけのディーンが二日酔いで頭を抱えながら挨拶する。
ぼんやりと重い瞼を開けられずにいるディーンが、目を覚そうと珈琲をマグカップに注いでいる。昨夜は相当お楽しみだったようで、首元にキスマークが残っている。
僕達は兄弟であり、恋人でもある。だが暗黙の了解で、お互いの女性関係には口を挟まないようにしている。では嫉妬しないのか? と聞かれれば、答えは「NO」であり、一晩過ごしたことを図々しく主張するキスマークを見て、思わず眉を顰めてしまい、額にまでも皺が集まるのを感じる。
「昨日は相当楽しんだんだね」
寝起きと二日酔いで頭の回らないディーンが、肯定の返事と思われる「んあ」という言葉を
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