トんじゃいそうなくらい「そういえば、一緒にお酒飲むの久しぶりだね」
「そうだったかもな」
なかなか無くならない酒に口をつけて喉を鳴らしてから、チリソースとチキンのラップをそのまま手に取って齧る。ごまの香りと甘辛いタレがまた食欲をそそる。
浮奇が久しぶりに家に来たいと言うので来るついでに夕飯になにか食べ物を買ってきて欲しいと何気なく言ってみたのだが……自分の好物であるそれを外さずに買ってくることにむず痒さを覚える。
「これ美味しいね、ふーちゃんよく食べてるし。」
「ん、そう、お前返事よこさないから気づいてないのかと思った。」
「ごめん、その連絡来てすぐラップがあるお店調べたりしてたら忘れてた」
そんな会話をしながらまた口に運ぶ。さっきよりも少し大きい口で噛み付いたからか、トルティーヤの端から漏れたソースが口の端にべっとりとついて、それを舐め取ろうとした時に急に浮奇に腕を掴まれた。
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