記憶喪失🔮🐑「…ちゃん!ふーふーちゃんっ!」
体を揺すられながら誰かが誰かを呼ぶ声が聞こえた。重い瞼をゆっくり開けると紫色の髪をした綺麗な青年が俺の事を見ていた。はっきりしない頭で分かったのはその青年が俺の事を揺らしながら、名前…あだ名か…?それで俺を呼んでいる。
「ふーふーちゃん?!」
「ん…えっと…おれのこと、か?」
俺が目を覚めたことに安心したのか泣きそうになりながら、潰されそうなほど強く抱きしめられた。この青年は一体…それに、ここは家か…?
「…すまない…君は…だれだ?」
「えっ…まってよ…冗談やめて」
「…冗談、ではない…」
きっとここまで熱烈に俺の目覚めを歓迎してくれたこの青年は俺と親密な関係だったのだろう。思い出せないことが悔しいがどうしようも出来ない。
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