ココ⭐︎イブ②「はぁ? 九重と寝たぁ⁉︎」
「ちょ、ばか、声でかい」
「バカはどっちだ! 歳の差考えろ淫行だぞ!」
ビールをジョッキで二杯煽り、ほどよく酔っ払ったのを見計らって俺は本題を切り出した。
志摩に相談があると持ち掛けたのは日勤終わり。明日当番だろと渋る志摩を無理矢理居酒屋に連れ込み、酒を飲ませたところで九重との過ちを打ち明ける。慎重に言葉を選んだつもりが、志摩に復唱されればより現実味のある過失として伊吹の鼓膜に届き、激しい後悔の念に襲われる。
居た堪れなくて控えるよう咎めるも、そしたら思わぬ罪状が飛び出してきて怯む。動揺のあまり椅子から落ちそうになって慌てて机にしがみついた。
「い、いんこう⁉︎ エッ、あっ、いんこうって、あの、淫の行⁉︎」
15198