無惨様受名刺ラリー用小話「是非清き一票を、この彼岸花党の鬼舞辻無惨へお願い致します!」
男の高らかな掛け声が響いた時、溢れんばかりの歓声が沸き起こった。
広場に集まった観衆は老若男女問わず数十万人に上る。日本の選挙演説の中でこれほどまでの人数を動員したのは類を見ない出来事であり、野党ながら彼岸花党の支持率は驚異の86%を超え、これまでの内閣支持率歴代一位の記録を塗り替えた。
その記録を打ち立てた鬼舞辻無惨は大歓声を満足そうに眺めると、やわらかな笑顔を作りながら観衆に軽く手を振り、ワゴン車に乗り込んで演説会場を後にした。
「無惨様、お疲れ様です」
「あぁ、守備はどうなっている?」
車の中で待機していた第一秘書である黒死牟は無惨が握っていたマイクを素早く受け取ると、ペットボトルの水を無惨に渡し、各地の選挙状況を報告する。
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