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    torico_o8o_

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    デキてるようなデキてないような?微妙な距離感のすまレドでバレンタイン

    SPICE×SWEET「ゲホッ……ケホッ……辛!!」
    「あ?ちょうどいいだろ」
    どこで調達したのか誰の差し金なのか、真っ赤なハートのボックスに入ったチョコレート。
    あからさまに手作りのそれ。
    「ん、」って仏頂面の頬をほのかに染めながら突き出されては、開けて食べない訳にはいかなかった。
    食べたはいいが――――辛い!
    確かにチョコの甘みがあるのに、あとから全力で唐辛子の辛みが舌を刺してくる。
    「レッド!君、これ唐辛子入れたでしょ?!」
    「あ?入れたけど?」
    「チョコに唐辛子は要らない派だな、僕は……」
    喉を通り過ぎていく辛さ。水もないので空咳で耐えていると、レッドはニヤッと笑ってこちらを覗き込んできた。
    「こんぐらいの辛さでギブとか、先生も大したことねぇな?」
    「だから、チョコって本来辛いものじゃないでしょ?!」
    「そうか?美味いのに」
    ハートのボックスからひとつ、チョコをつまみあげてもぐもぐと満足げに咀嚼する。
    その様子を見ると、悪意ではなく純粋に美味しいと思って渡してくれた……のかもしれない。
    すまない先生はチョコを頬張るレッドの肩を引き寄せる。
    唐辛子味のチョコを含んだままの唇を奪った。
    「っ、せんせ、」
    「……こうすれば美味しいかも」
    キスの隙間で囁いて、また舌ごと絡めとる。
    「ん、ぅん、…ふ」
    舌を刺すピリピリした辛さは変わらないはずなのに、抱きしめた身体から力が抜けて、舌を絡めとるたびに脳が甘いしびれを感じる。
    漏れる大人しげな吐息も可愛くて、胸をくすぐった。
    ひとしきり口の中の唐辛子チョコを味わってから、抱きしめた腕を解放した。
    「ほら、やっぱりこうしたら美味しかった」
    「……学校だぞ、インコー教師」
    「スリルがあって良かったんじゃない?」
    「ハッ」
    いつもの調子で笑って、こちらを振り返りもせず歩き出す。
    一瞬見えた顔が赤かったのは、夕陽のせいか。それとも。
    「チョコありがとう、レッド」
    何も言わずに赤い背中がヒラヒラと手を振る。
    口の中に残るほのかな辛みとキスの名残に、思わず口元が緩んだ。






    END


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