BLACK BLACK BLACK「利害の話だ。こんなご時世で国家を維持するのは難しいだろう。昨日までの繁栄が今日も持続する保証などどこにも無い」
基本的にシンプルな海軍本部とは比べ物にならない豪華な部屋。
西の海の有名家具ブランドの特注品だというソファに腰掛けて、中将ドンキホーテ・ドフラミンゴは静かに言った。
相対しているのは、一人の老人。この国の王では無い。
本来であれば、国王が顔を出す筈の場に現れた側近を名乗る男である。
「……それは、莫大な天上金を支払い、加盟国入りをしても同じことじゃあないのかね。海兵さん」
唐突に、核心をつく男だ。ドフラミンゴはうんざりとため息を吐いて、ゆっくりとソファに沈み込む。
「確率の話だぜ。人攫いの連中は明確に加盟国を避ける傾向にある」
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