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    晩(Bankon.)

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    晩(Bankon.)

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    VIP客の降×ほてるまん新の話①

    捏造しかないし、降はまだ出てこないです。
    上司として諸が出ます。
    何でも許せる人向け。
    ※前に殴り書きしたものを加筆修正しました



    朝五時四十分。
    新一がブリーフィングルームに着いた頃には大勢のホテルスタッフが一堂に会していた。
    新一が働いている米花セントラルホテルでは早朝にブリーフィングが行われ、ホテルのマネージャー、フロントスタッフはもちろん、ハウスキーピングやレストランスタッフなど、部門問わず全員で行われる。
    ボールペンとノートを胸ポケットから取り出すと、すぐブリーフィングが始まった。
    「皆さん揃いましたね。少し早いですが朝のブリーフィングを始めます。」
    上司でありフロントマネージャーである諸伏がブリーフィングの挨拶をすると、よろしくお願いしますとスタッフ一同挨拶をした。
    「本日宿泊予定の後藤様ですが、前回の宿泊で甲殻類が苦手だと仰っていたでレストランスタッフの方は食材の取り扱いに気をつけてください。」
    「了解です。」
    「あと、本日の十五時にチェックイン予定の青木様ですが、飛行機の発着遅れのため十九時に変更して欲しいとのことでした。フロントスタッフの方は確認お願いします。」
    「承知しました。」
    朝のブリーフィングでは主に宿泊客の確認、情報共有、夜勤担当のスタッフの引き継ぎをして1日の動きの確認をする。
    部門ごとの情報共有の後、諸伏から連絡事項が伝えられた。
    「本日はVIP対応のお客様が十五時にいらっしゃいます。VIP対応についての資料を読んでおいてください。」
    VIP対応のお客様は所謂、高所得層や議員、国の要人が該当する。今日はそのVIP対応のお客様が宿泊されるらしい。
    「今日も一日よろしくお願いします。」
    「よろしくお願いします。」
    諸伏の締めの挨拶でブリーフィングが終わり、皆持ち場に戻っていく。新ーもフロントに戻ろうとブリーフィングルームを出るところで声をかけられた。
    「工藤。ちょっといいか。」
    振り返ると声の主は諸伏だった。
    「はい。何でしょうか。」
    「さっき話してたVIP対応のお客様なんだけど、工藤に対応してもらいたいんだ。」
    VIP対応の客を?俺が?
    「えっと、俺が、ですか?」
    「何か不安なことがあるのか?」
    フロントマネージャーという役職に就いているからか表情から見抜かれていたらしい。
    「先週研修期間を終えたばかりですし、俺に務まるかどうか…。」
    ホテルのフロントスタッフの研修は覚えることが多く、一人前になるにはそれなりの時間がかかる。先週まで諸伏のそばで業務内容やお客様への対応を学んでいた新一にとって研修が終わってすぐVIP対応は不安要素でしかない。
    「工藤の対応は俺が見ていた限りは問題なかったから大丈夫だよ。それにVIP対応なんてなかなかできる機会ないから経験積むにはもってこいだよ。」
    「それはそうですが…」
    経験を積むと言えば聞こえはいいが、VIP対応というのは普段のお客様対応よりも特殊であり、尚且つ難しい。
    粗相があってはならないのは当たり前だが、対応一つ一つがホテルの評判に関わってくる。
    さらにVIP客ともなるとホテルの運営にも大きく響いてくる。
    そんな重責を背負うには自分は未熟ではないだろうか…。
    でも、諸伏の言うことにも一理ある。VIP対応ができる機会などなかなか訪れない上に信頼できる上司である諸伏から直接指名されたのだ。
    これ以上の嬉しいことはない。
    「わかりました。VIP対応、俺にやらせてください。」
    新一が返事をすると諸伏はニコッと微笑んで肩に手を置いた。
    「ありがとう。十四時半にチェックイン予定だからフロント対応よろしく。何か困ったことがあったら無線に入れてもらえば俺の方で対応するから。」
    「は、はい。ありがとうございます。」
    それなら諸伏が対応すればよかったのでは?
    疑問に思いつつ、諸伏とフロントへ向かった。
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    「あんまり遠くへ行かないでくださいよ」
     返事の代わりに片手を大きく振り返して、あの人は雪原の中へと駆けていった。雪を見るのは初めてではないが、新しい土地にはしゃいでいるのだろう。好奇心旺盛なのは相変わらずだ、とリーは息を吐いた。この身体になってからというもの、寒さには滅法弱くなった。北風に身を震わせることはないけれど、停滞した血液は体の動きを鈍らせる。とてもではないが、あの人と同じようにはしゃぐ気にはなれない。
    「随分と楽しそうね」
     背後から声をかけられる。その主には気づいていた。鉄道がイェラグに入ってから、絶えず感じていた眼差しの主だ。この土地で、彼女の視線から逃れることなど出来ず、だからこそここへやってきた。彼女であれば、今の自分達を無碍にはしないだろう。しかし、自分とは違って、この人には休息が必要だった。温かな食事と柔らかな寝床が。彼女ならばきっと、自分たちにそれを許してくれるだろう。目を瞑ってくれるだろう。運命から逃げ回る旅人が、しばし足を止めることを。
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