ヴァニタスママとベビイサミ『ブレイバーン、ちょっ、ブレイバーン?』
『なんだヴァニタス、イサミが起きてしまうだろう』
『もう起きてるわよ、ちが、あの齧られてるからアンタの頭』
『本望だ』
『おバカッ!齧った破片飲み込んだらどうすんのよ!』
『ぬぉお!イサミぃ!齧ってはダメだ!ちょ、あっ力強い助けて』
『クピリダスー!このおバカ助けてあげてちょうだい!』
「あぷっ、ぁう…はぷぷっ」
『ぬぁぁぁ…♡いっ、いしゃみぃ…!!♡なんて大胆なッ!』
ブレイバーンが顔を赤くし始めてもじもじした様子が大変気持ち悪いのでとっととクピリダスに回収をお願いする。
ブレイバーンが離れてしまいぐずりそうなイサミにおしゃぶりを咥えさせ手頃なぬいぐるみを代わりに抱きしめさせる。
『全く…アタクシ達をシッター扱いだなんていいご身分よ…、くまさんのぬいぐるみ嬉しいわねェ〜』
「あぅ!ぷぷぷ…っ」
『んふふふっ、可愛いわァ』
ぱたぱたと手を動かして遊ぶ様子のイサミになんだか穏やかな気持ちになりながら頭を撫でてあげる。
すると撫でられるのが心地いいのか大人しくなりすぐに寝息を立てて寝てしまう。
ベビーベッドの柵に頬杖つきながら前髪を邪魔にならないようにわけてやり布団をかける。
『おや、イサミくんは?』
『寝たわ、ぐっすり寝てるからしばらく起きないかもねェ。あ、ブレイバーンしばいてくれたかしら』
『あそこに伸ばしてありますよ、ほら』
すると物干し竿に今から丸焼きにされるような姿で手足を拘束されてイーラにぐるぐると回されていた。
『君さぁ…!?少しは幼児が糸くずやらなにやら飲み込むリスクを考えなよねぇ?!』
『うわぁぁっ!!ちょ、早いっ!スピードが速い!バターになってしまう!』
『なってたまるか!!余裕あるじゃないかブレイバーンッ…!!』
『イーラおやめ』
『はいっ!』
イーラに声を掛けるとすぐさま回すのやめすぐ後ろに待機する。
ブレイバーンに近付いてファンネルで突いてやる。
『うぎゃっ』
『反省したかしら、次はそんなミニボディじゃなくって等身ボディに換装なさい。いいわね?性懲りも無くそれできたら問答無用で当番から外すわよ』
『ふぁい…』
『わかれば宜しい、イーラ。30分くらい回してあげなさい』
『え、それは僕の腕もきつ…』
『何?なんか言ったかしら?行けるわよねェ?ん?』
『はぃ…もう喜んで回します…』
ガスガスとファンネルでしわくちゃ顔のイーラの頭をど突きながらイサミの様子を見に行く。
どうやらまだ穏やかに寝ていたようで大事そうにクマのぬいぐるみを抱き締めていた。
再度頭を撫でてやりずれた布団を掛け直して起きるまで寝顔を眺め続けた。