明日は、水曜日(二月) コートを畳んでロッカーに入れていると、後ろから大きな声で名前を呼ばれた。
「いた!ファルガー聞いてよ!浮奇マジでぶりっこなんだよ」
「は?」
振り向くと、アルバーンと浮奇が並んでいた。それも、肩が当たるくらいの距離で横並びに立っていて、随分と、近い。
一年の頃からの友人と、二年からの友人が一緒に登校しているのをみると未だに不思議な気持ちになる。アルバーンを浮奇に紹介してすぐの頃は、お互いに探り合いながらそっと言葉を交わす感じだったのに、最近は俺よりも遠慮無く言葉を交わすようになっている気がする。……良い気分なのか、良くない気分なのかはよくわからない。
「今そこで先輩に呼び止められたんだけどさ、すっごい綺麗な声の人で。チョコ渡してもいい?って」
7554