明日は、水曜日 最近、スーパーに行くと目に留まるものが増えた気がする。前までは気にもしなかった食材を手に取って考えるようになった。
入り口を抜けて、買い物カゴを手にとり、キャベツ、にんじん、タマネギ、ピーマン、エリンギ、しいたけ、と通り過ぎて少しだけ笑いそうになる。
三ヶ月前、気まぐれに年の離れた兄によって詰められた弁当の蓋を開けた時だった。
いつも通り前の席の椅子に横向きに座っていた浮奇が、スマホから顔を上げて、心の底から羨ましそうな声を出した。
「いいなぁ!」
「そう、かぁ?」
「あ、自分で作ったの?」
「いや……」
「いいなぁ……」
ため息でも聞こえてきそうな顔で、浮奇は弁当の中身を眺めている。別にめちゃくちゃ豪華だってわけでもない、ハンバーグがメインの普通の弁当だと思ったが、言葉には出さなかった。
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