拾う奇跡を永遠と呼ぶ「今夜?」
「ああ、ヴォックスがホームパーティーするらしくてな」
「じゃあご飯はいらないね」
「そうしてくれると助かる」
「…はーい」
「どうした?浮奇も来るか?」
「ううん、俺はいい」
「何かあったのか?」
「別に」
「何もない顔じゃない」
「…鈍いのか聡いのか」
「うん?」
「ふーふーちゃん、俺のこと好き?」
「ああ、好きだよ」
「じゃあキスして」
「ちゅ…」
「ここ、跡付けていい?」
「襟で隠れる所なら好きなだけ」
この愛おしい人にどれだけ深い朱を落としても満たされない気がしてしまう。
一緒にいてもいなくても、この人に対する欲に際限がない。これが俺の恋なのだと、もう自分では制御できないところまで来てから気づいてしまった。
好きになればなるほど、失った時に辛くなる。恐ろしいのに止められない。
5400