宝探し 近づく足音に気付いたのか、難しい顔で手元を見つめていた少年がふと顔を上げた。
「……デク⁉︎」
言葉と共に弾けるように立ち上がる少年に、もさもさした緑色の髪と右の頬に大きく残った傷痕が特徴的な青年、緑谷出久は声を掛けようと口を開きかけた格好でぴたりと止まる。
「ホンモノ⁉︎ なんでっ? あっ、もしかしてコスプレ? ホンモノなら絶対にわかると思ったけど、こんなとこにいるわけがないし……」
ぶつぶつと呟きながら一人考え込む少年の様子に、出久の数歩後ろを歩いていたスラリと背の高い茶色い髪の青年が小さく笑った。
「デクそっくりだな」
「そ、そうかなあ…?」
二人でひそひそと言葉を交わす。
「ええと……一応ホンモノ、です」
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