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    upa_224

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    吠日現行未通過
    AIに書いてもらったスズすお

    本音...




    「ハナの馬鹿!!」

    突然、そんな怒号が部屋に響き渡る。

    特になんでもない、今日もいつも通り事務所で書類を捌きながら仕事を持ってこいと、浅霧に文句を垂れているはずだった。
    別の課に呼び出されていた観月が、ただでさえ立て付けが悪くなっているドアをぶっ壊す気かと思うくらい思い切り開けてくるまでは。
    「……は?」
    俺の戸惑いに反応することなく、観月はそのままずかずかと部屋に入って来る。そして、俺の真ん前で立ち止まると思いきり机を叩きつけた。その衝撃で、積み上げられていた書類の山が崩れる。
    「おい……っ!」
    思わず声を上げるが、観月は構わず言葉を続けた。
    怒りを抑えきれないといった表情で、肩で息をしながら。
    普段なら決して見ることのないその姿に、俺は呆気に取られて何も言えなかった。
    観月は俺の方を見ないまま、もう一度机を強く叩く。

    「どうして言ってくれなかったの……他の課に異動になったって!!」




    ...


    「おー、花京院。今日もいい感じにキレッキレの目付きだなあ」

    いつもの様に事件後の報告書を書き、上司に提出していた。もう定時からは3時間も過ぎてしまっている。とっとと帰って家で待つ2匹に飯をやらなければ…と足早に署を出ようとしたところで、警察学校に通っていた頃から世話になっている先輩に声をかけられる。

    「…用が無いなら帰る」
    「おーおー待て待て!一応用はあるんだがな、なくても声をかけるくらい許してくれよ」
    「じゃあ手短に要件を言え」
    「相変わらず冷てえなあ…。明日ぐらいに上から直々に伝えられると思うんだけどよ。お前、またうちの部署に戻ってくることになったってよ」
    「…は?」

    元々捜査一課に配属していて、特に成績面でも優秀だったはずなのに突然2ヶ月ほど前に特集捜査課に異動。怪事が担当だとか人間が担当だとか意味のわからないことを延々と説明されて、いざ現場に出てみれば本当に信じられない…いや、信じたくなかった事件を沢山目の当たりにしてきた。
    それでも、上から目線で腹立つけれど腕が立つ年下と、訳の分からない怪事に四苦八苦しながらもようやっと慣れてきたっていうところなのに。

    「異動…?」
    「そうそう。そっち、だいぶ暇なんだろ?こっちはもうお前が異動してからバッタバタだよ。お前の代わりに他の課から異動してきた奴も若すぎてお前程使い物にならないし。頑張ってるのはわかるんだけどなあ…」

    人も足りない、技術も足りない、これは困ったということで上に苦情を言ったら調整してくれたと、お前が戻ってきたらだいぶ楽になるわと、嬉々として話してきた。
    何勝手に言ってんだ、ふざけんじゃねえぞこのクソ野郎。
    確かに俺は今までずっと刑事の仕事に誇りを持ってやってきたつもりだし、仕事の内容が変わったとしても頑張ろうと意気込んでいた。だけどそれとこれとは話が別だ。
    そもそも1ヶ月2ヶ月足らずでホイホイ異動させやがって、この職場は俺をなんだと思っているんだ。

    此奴に当たっても仕方がない、と適当に話を切り上げて帰路を辿る。
    …アイツに言ったらキレそうだな。
    なんて、いつも静かに怒る相棒の顔を想像しながら。


    ...


    「…テメー、そんな怒り方もできるんだな。」
    「話逸らさないで。なんで言わなかったのかちゃんと説明して」
    「…別に、俺からわざわざ言わなくったっていつかは分かることだったろ。」

    正直、こんな風に怒るなんて思わなくて戸惑っている。いつもなら、静かに淡々と相手の心を見透かすような目で此方の言葉を待ってくれるというのに。
    今日は、いつもより感情的で…それでいて人間的だった。

    「…俺は、ハナから聞きたかったよ」

    その一言を聞いて、思わず心臓が大きく跳ねた。
    まるで自分の中の何かを暴かれた様な感覚に陥って、思わず視線を外す。
    すると、観月の左手が俺の右手首を掴んできた。
    そのまま引き寄せられて、抱き締められる。

    「ちょっ……!」

    抗議の声を上げようとするものの、その前に耳元で囁かれる。

    「ねぇ……俺はそんなに頼りないかな」
    「……そういうわけじゃない」
    「じゃあ、どういうこと」

    観月の腕に力が込められたのを感じる。いつもよりも少しだけ弱々しい声音に、胸が痛む。
    観月の背に手を回して、軽く叩く。
    大丈夫だから、落ち着けと言う様に。
    しばらくそうしていると、観月の身体から徐々に力が抜けていくのを感じた。

    「…単純に、俺が言いたくなかっただけだ。…テメーの隣は、俺じゃなくていいって、…言われてるみたいだったから」

    そう言うと、観月は何も答えずにただ黙っていた。その沈黙が気まずくて、言葉を続ける。
    本音を言えば、不安なのだ。
    コイツにだけは、必要とされたかった。
    それは多分、これから先も変わることはないだろう。
    だけど、だからこそ、もしこの関係が崩れてしまったらどうしようかと、怖くなってしまったのだ。
    きっと、観月はそんなことはしない。

    きっと、離れていたって相棒だと、言ってくれる。
    わかっていても、それでも怖いものは怖い。
    そして、俺自身がそれに納得してしまった。
    それ故に、何も言えなかった。
    それを察したのか、観月は「ごめんね、」と呟いた。

    「でも、これだけは覚えておいて」
    「……なんだよ」
    「俺は、どんな時だって……ハナと一緒にいるよ」

    ああ、本当に、敵わない。
    俺は、この男には一生勝てない気がする。


    「……あの〜?」

    バッ、と慌てて身体を離す。最悪だ、忘れていた。この男がいることを。影薄すぎんだろもっと主張しろよ殺すぞ。

    「…おふたりさんってもしかしてそういう」
    「んなわけねェだろ!!」
    「え、ええ??!や、やったらおかしいわ、あんたらふたり………」


    その後に続くであろう言葉を遮るようにして、俺は立ち上がる。
    これ以上ここに居たくない。早く帰ろう。こんな醜態、許されるわけが無い。
    さっきまでの怒りは何処へ行ったのか、「俺らもっと話し合わないとね!」とニコニコと上機嫌な観月に半ば引きずられるようにしてその場を後にした。

    ...

    翌日。

    「え?異動?いやいや、この事件のヤマ超えるまでフォロー出てもらうだけだから……最高でも1週間くらいだと思うよ?」

    そう上司から言われ、先輩に一発入れに行くのはまた別のお話。
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