場地さんの近くにいるのは気が付けば当たり前になっていた
知り合ったきっかけは些細なものだった、俺の家の猫“エクスカリバー”が場地さんの家に出入りしていたんだ
ひとんちの猫に勝手に名前つけたあげく餌付けしてんじゃねえよと思いつつ、人が嫌いなエクスカリバーが懐く奴なら悪いやつではないんだろう、俺は少しだけ場地さんに興味が湧いていった
場地さんは東卍會の壱番隊の隊長らしい
ヤンキーだの暴走族だの、俺はそういう類のものは大嫌いだ
ついでに、何だって自分が一番じゃなきゃ気が済まない性格の俺には「壱番隊 隊長」その肩書が気に入らなかったが、所詮この男も群れないとイキれない弱い男なのだろう
俺はエクスカリバーに免じて見逃してやっていた
1454