にゃ尾×杉の語りポメガバースみたいに、極度の疲労もしくはストレスにより猫になる尾形。人間に戻るには存分に甘やかされて本人（尾形）が幸せな気持ちにならないとダメ。そんな話。
両片思いの尾形と杉元。尾形社会人、杉元学生。最初から相手に対して好印象のいい雰囲気な二人から始まってほしい。出会いは未定。過去の記憶は不要かな。メインそこじゃないから。

ある日、アルバイトを終えた杉元がアパートへ帰ってきたら玄関前に黒猫がドアを見上げるようにして座っていた。杉元が近づくと黒猫も気がついたのかにゃぁにゃぁ鳴きながら杉元の足元へ近づき、入っちゃダメだよ〜って言いながら猫を残して室内に入ろうとするけどスルリと簡単に侵入されて、遠慮なく室内に上がっていった黒猫。
「ここペット禁止なんだけどな」と困る杉元の言葉が通じたのか、何かを主張するように鳴いていた黒猫が静かになって、まぁ1日くらいなら…ってことで家に居させてあげることに。残念ながら黒猫サマは1日どころか普通に居座るんですけどね。
社会人と学生という立場の違いもあって、尾形と杉元はそこそこ連絡を取り合っている間柄だけど、頻繁に会うことはしてないといい。付き合ってるわけじゃない片思い状態だし、相手にも都合があるし……と杉元は遠慮気味。数日前に尾形から長期出張へ行くと連絡が来て、当分会えなくなるな寂しいなと思いつつ、でも出張から帰ってくる度にふらふらに疲れている尾形を知っているから負担にならないように……と気を使って出張期間中は連絡を入れないでいる杉元。それがね、仇になるといい。
黒猫改め尾形は面倒な出張をなんとか終えて、杉元に会えなかった時間を取り戻そうと部屋へ押しかけた所で力尽きて、気がついたら猫になっていた。とかだといい。いつもふらふらになって帰ってくるのは仕事疲れもあるけど、杉元の顔不足とかだといい。穏やかに微笑みながら「お疲れ」って言われないと帰ってきた気分になれない。ぽんぽんと背中や肩を叩きながら労われたらそれは至幸最高、一瞬で疲れが吹き飛ぶ。杉元の顔が好き。顔も、好き。
最近尾形から連絡が来ないんだよな〜って、家に居座るようになった黒猫に話しかける杉元。ここに居るけどな、と思いつつ大家に猫が居ることがバレたら問題だから尻尾や耳だけで反応する尾形。黒猫の頭や体を撫でながら、尾形の頭ってこんな感じだよな〜て話しかけるし、顔の高さまで抱え上げて視線を合わせて「お前、尾形に似てるんだよな〜」とか言う。それ本人ですよ、佐一くん。
「百（ヒャク）」とか名付けてさ、可愛がるといい。本人に向かって下の名前で呼んだこととか一度も無いのにね。猫に負けた気持ちと、間接的に下の名前を呼んでもらえる環境に、どういった感情を持てばいいのか悩む尾形はいると思う。
そのうち、杉元は自分から尾形へ積極的に連絡を取ったことが無いことに気づいて、連絡を入れてみるけどまぁ返事も既読にもならなくて。心配だけど尾形がどのあたりに住んでいるかは知っていても住所まで知らないから会いに行くこともできない。何もできない自分にどうしようと不安な気持ちになっていると必ず黒猫が近くに寄ってきてくれる。
ひゃく〜って黒猫の名前を呼びながらぎゅうぎゅうに抱きしめて、「会いたいな」と零しながら黒猫にキスした瞬間、尾形に戻るといい。これ多分ギャグ。
尾形、猫になってた期間の意識も記憶もはっきりしてるといい。猫の姿になったことを存分に活かして、杉元と一緒に寝たり、膝とか背中とか身体の上に乗っかってみたり、風呂トイレ入ってる時にドアをカリカリ引っ掻いてドアを開けさせてみたり、まぁ、そこそこやりたい放題してそこそこ黒猫生活を満喫しているといい。そりゃストレスも減っていくよな。あとはいつになったら人間に戻れるんだ？という悩みだけがストレス、みたいな。
「どうして猫に」「極度のストレス状態または疲労によって猫になるらしい。幼い頃にも一度猫になったことがあるって、ばあちゃん言ってた」