屈辱だなんて思わないけど、それでもプライドが許さない「……っぇぇ……っ……ごほっ……っ」
ぼたぼたと目の前に見るにも耐えない嘔吐物が落ちていく。
わりかし清潔感を保っている白くツルツルとした便器に容赦なく叩きつけられていく。
あぁ……汚い。
身体から排出されたものにキレイも汚いもないし、寧ろ一般的にはキレイとは言えないものであろう。要は身体に不要だと判断されたものだからね。
それでも汚いと感じずにはいられない。
たとえ何度見ようとも、何度同じことを体験しようとも、この嫌悪感だけは拭えない。
「はぁ……」
衝動が、吐いてしまいそうな衝動が収まると壁にもたれかかった。
吐いてしまいそうな、なんておかしな表現だ。実際吐いたのだから。
どっと疲労感が襲ってきて思わず蹲りそうになる。
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