大切に仕舞おう
もう誰にも取られないように
大切に仕舞おう
もう二度と両の手から溢れないように
大切に仕舞おう
ーーーーーそして、取り出したのならば
己だけで、愛でよう
「鬼太郎、親父さん、朝だぞ」
水木家の朝は、この一言から始まる。
あの呪われた村から帰還後、一時は危篤状態となり入院して検査に追われていた水木も、今ではすっかり社会人として毎日あくせく働いていた。
そんな立派な勤め人である水木の朝は早い。
早朝とも言える時間に目覚ましを鳴らし、目が覚めたらなるべくすぐに起き上がり、布団を畳み、洗面所へ向かい軽く身だしなみを整える。
その後台所へ向かい、昨日の残りの米と汁物、あとは何か卵や和え物などを用意もすれば本日の朝餉の出来上がりだった。
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