jailbird　新鮮な感想jailbird……………なんかもう………なんて言ったら良いんですかね、良かったね……という気持ちです。みんな、良かったね…………………良かった…………良かったよ……………（光の感想）




••••
ネタバレのためスペースあけます
••••






人として最大限の幸せを手にするためには、課せられた鎖……その………法律とか、倫理観とか、そんな諸々を全部ないないして、何もかもを全部捨てるか、何もかもの上に立つしかないんだな。と、思いました。
人間って社会性と言葉と感情を持ってしまった動物で、大多数の人たちが平均的に幸せになるために法律とかがあるんだなぁと。んでもって、幸せの平均じゃなくって人が手に入れられる上限を攻めるためにはその“法律”とか“規則”とかを忘れなきゃだめなんだなぁと思いました。

確か、前にスペースでヤマケイさんが、やりたいこと全部やってる人たち……みたいな言葉をおっしゃってた気がしたんですが、しみじみと実感しました。たしかにやりたい事をやらずにいる人たちではなかったな……しがらみとかあっても吹き飛ばして全部やってたな……片っ端から……。

私はキリスト教についての知識について、幼稚園の頃に神父様から教えてもらった曖昧なものしか無いので言及を伏せていたのですが（それでもピサンカは作る）モノムジカさんの作品理解するためにはマジでちゃんと勉強なきゃなと思ってきましたし勉強したいなぁと思いました。芯のない生き方をしてるなと自称しているのですが、今、芯が、モノムジカさんになってきてるので。うん


↓ネタバレ


“ランス”
滅茶苦茶親近感が湧きました。隙自語なんですが私も過去にあんな時期があったのかもしれない。なにかに縋ってそれがないと駄目だと思ってばたばた暴れまわる様子見てマジで凄く、つらみだった。
甘い言葉と甘い吐息で頭の中までくらっくらになっちゃって、ガタガタ震えながら指を噛んでる様子、これあの、凄く、あの、何かに刺さりました。
ランスさんはストレートに嘘をつくじゃないですか。自分のことを一番に考えちゃって、開けない夜に偽りの光を見つめて一生監獄の中に居るのかな。と思うと、まあそれはそれで幸せなのかなと思いつつ、普通に生きたい願った人にそれはかわいそうだよって思いつつ、まっすぐに生きられたのに、まっすぐに生きなかったツケかな。と思いつつ。
かわいそうとかわいそうじゃないとしあわせでよかぅたねの3つの感情がぐるぐるで面白かったです。
カルの腕の中で眠るのとても好き。

最後にさ、カルと神父様としっかりさよならをしてたのも良かったなと。神父様は拒絶だったけど。

“カル”
まっすぐ生きたくて、まっすぐ生きる道があって、まっすぐ生きれた人。羨ましさがある。自由に生きてくれ。
ランスとカルのあの二人の間の感情は確かに本当で、悲しいくらいピースがハマっていたんだな。と。でもカルにはシエルが居て、ランスはカルがシエルを求めるのとおんなじくらい強い思いで“普通”を求めちまったんですね。悲しいね。難しい。
カルは最後ああなったけどさ、信じて待っててって言われて信じて信じて待って出会えてああなったのなら、カルとしては幸せだったんだろうな。羨ましいな。
まだパンフレットを読んでないので実のところはわらないけど、カルはママから性的な虐待を受けてたんじゃないかな。と思った。拳銃のところ、なんだかちょっと。思っちゃった。実のところは知らないけど。
置いてかれたくなくって泣きながら縋る様子がとても染みました。良かったね。という気持ちです。
良かったね、カル。

“シエル”
シエル〜！！！！！純粋なクズ……って感じ。澄み切って澄み切って、大きくて丸い目なのに見えてるものはたった1つ。みたいな。シエルが神父様を、カルを、ランスを見つけてしまったからこそ始まっちゃった泥沼。あちゃ〜！！！！！！
嘘がなくてまっすぐだからこそ、なんかもうシエルはクズってよりも“起点間違えちゃった人”って感じがした。これからシエルはどうするんだろ。また誰かを愛しに行くのかな。シエルならできそうって思っちゃった。
ロレンソ神父様の時、ぽろっと呟いたのが怖かった。沢山人の死を見て、人の生を（色んな意味で）操ってきたからこそなのかしら。と。
美しい悪魔、美しい天使。空っぽで純粋で透明で澄み切ってるからこそ、自分が求めてるものとかが反射して見えちゃうんだろうなぁ。と。相手は男だけどオムファタルった感じだし、相手の肉体が男だったってだけで、本人的には何もおかしいことしてないんだろうな。素敵だと思います。

“ロレンソ神父”
あれ？？？普通に良い人じゃん？？？？って思ってたんですが色んなものの元凶だった。あなたって人は……全く………。
お目々の色が片方違うのはなるほどそういう意味か……傷を負って片目の色が変わっても手を差し伸べ続けたのね………しんみり……とか思ったのですが、今思うともうその時点で運命が決まっちゃってたんだな。という気持ちです。見つかっちゃったんですね。
色情狂という言葉にあまりピンときてなかったのですが、性愛とか肉体同士の触れ合いとか、そういった物が“愛”だという判断基準で生きていらっしゃる方。と思うとしっくりきました。なるほど確かにそのものの軸がずれている。
なんと美しくて幸福な愛の形なんでしょうね。自分が手塩にかけた傑作に、愛ゆえに殺されるって。でもシエルのあの感じ的には、もっと粘ってて（生きてて）ほしかったのかな。シエル、カルの死体を見たときはなんて言ったんだろ。
ずれててもまっすぐに軸が突き刺さってて、それはそれでよいなぁ。
あとさ、神父様って滅茶苦茶自分のために動いててそこが超最高だった。教会の資金稼ぎって大義名分はあったけど、それはそれとして、だれそれを気に入ったから動く……みたいな、滅茶苦茶自分の物差しで世間はかってて滅茶苦茶かっこよかった。そういうところ、好き。嘘ついたとしても誰かを強請るためだし手のひらの上で転がすためだし神父様の中では筋通ってるし……で滅茶苦茶清々しかった。

カルしかり神父様しかり、最期の瞬間が幸せそうでそこが一番救われました。幸福の絶頂で亡くなるの、羨ましい。
ランスもランスで唯一の救い（救いじゃないかもしれないけど）にすがりついて生きてくわけだから、理性とか社会性とかそんなものを思い出さなければあの監獄の中で幸せのままで居られるのかな。なーんて。

理想……と言って良いのかはよくわからないし、あんな状況になりたいかと言われればなんとも言えないけど、羨ましいかどうか聞かれたらわりとしっかり首を縦に振れる感じのお話でした。次は脚本読み込んでパンフも読んで知識たっぷりでいくぞ！！！！！！！



あとこれ最大級のネタバレなんですがめーーーーちゃくちゃえっちでしたね。
中央でカルとシエルが真面目に何かをしてるとき、下手の端からランスの聞いちゃいけない声が聞こえてきて大変だった。ちょうど頭が被って下手ベッドの上の方のお顔が見えなかったんですが見てたら危なかったかもしれない。

あと神父様のリップ音。リップ音やばかった。やってることクズだしなかなかに酷いのにあんなに綺麗なお顔であんなに迫られてあんなに綺麗なお声であんなふうなことをお話になられたらもうさ財産全部寄付しますって感じ。神父様の笑顔が見られるんだったら全然、臓器も売ります。売れる臓器全部売ります。腎臓2つ有るのは片方売るためですから。しかもあの神父様だったら一生夢見させてくれそうだし、うまいこと搾取されてるって現実を見せないまま綺麗に破滅させてくれそう。

なかなか深いキスをされてるなぁってのがもう多分片手で数えられないくらいあり。そういう意味でも大変でした。これ私ギリギリ頭で被ってたり人の影に隠れたりして印象を和らげて耐えてたんですが最前列で見てた方々本当に大丈夫だった…………？？？？？？？これはネタバレなのでTLの皆さんには積極的に最前列を推そうと思ってます。

えっちなところでいえば私ランスさんとシエルの絡みの時に一瞬ランスの舌が見えたような気がしてとてもなんか凄かったです。マジで舌ペロって凄いね。

カルのさ、滅茶苦茶怯えながら震える手で荒野に向かって引き金を引くあの一連の場面、トラウマを抉って力技で治療する感じで最悪で最高だったんですが、頭の中にボニクラがよぎった瞬間だめだった。
トラウマを快感で上書きしてるのか、トラウマスイッチを連打して麻痺らせてるのか。まだ台本読めてないからわからないんですがどっちにしたってあーーーーーーらららって感じ。どっちがいいんだろね。


置いてかれる不安で泣きわめいたり、依存先が失われて混乱したり、小さくても誰でも多分一度が二度は体験したことがある感情をすくい上げて綺麗にラッピングして、大丈夫だよって渡してくれることの、この、喜び。（決して大丈夫ではない）（みんな破滅してる）
自分も自分の感情に素直になろって思いました。たのしかった。ヤマケイさんって、ほんと、凄い