ミラーリング #15-3「兄と妹」「あれ、フェルグス様の戦車じゃないか?」
遠くを見張っていたロイグの言葉に、クー・フーリンは不思議そうな顔で近寄ってきた。
「叔父貴が? なんでまた」
「俺が知るか。でも戦うって雰囲気じゃないな。一体何が──」
二人が話している間に、巨大な戦車は泥を跳ね上げながら迫ってきた。
フェルグスは戦車が止まりきる前に飛び降りると、鬼気迫る表情でやってきた。
「叔父貴、どうしたんだよ?」
フェルグスの勢いに気圧されながら、クー・フーリンが尋ねる。
「おまえにどうしても伝えなければと思ってな」
「伝える? 何を」
「次のおまえの対戦相手だ」
「おいおい、叔父貴。これがあんたじゃなけりゃ、舐められたと思ってブッ殺してるぜ」
5377