【ヴェラン】キミの機嫌はボク次第「機嫌を損ねる」という言葉では済まないほど、ヴェインを怒らせてしまった。
ヴェインは素直で、感情が分かり易く顔にでるけれど、いつも明るくて前向きだから、あまり不機嫌にはならないのに。
俺が揶揄って拗ねたことはあるかもしれない。
子供の頃から「ランちゃん、ランちゃん!」と俺を慕ってくれていたヴェイン。
その想いがいつしか恋に変わっていて、俺にも伝染した。
今では幼馴染みで、相棒で、親友で、恋人で、人生のパートナーでもある俺たちは、長い付き合いで一度も喧嘩をしたことがない。それほど仲がいい。
それはヴェインの優しさの賜物だと思う。本当に負の感情を持たないヴェインとは、喧嘩にならないんだ。
ヴェインが、あからさまに負の感情を他人へ向けたのは、俺の友人であるパーシヴァルに対してだろう。
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