怪文書マゼンタPC2として初めて動かした錦戸寧々音は、自分で何かをすることに対して、どこか諦めてる人、って印象だった。
多分手を伸ばすことが怖かったんだと思う。もしもその手を掴めなかったら、とか、手を伸ばすこと自体が間違いなんじゃないか、とか。
例を挙げるとするなら、暴漢に襲われてる人が居たら警察だけ呼んであとはその場を立ち去っちゃうタイプ。
放っておくのは嫌だけど、自分自身が何かをするのが怖い……みたいな。
そんな最中RHOシーンでPC1(驪王くん)をたまたま助けてしまい、カンナから託された責任を感じて小佐古に居る、というのも心境の1つなんだろうなーと。
しばらく彼の事眺めてたら、何か鼻につく態度のヤツだし、他人を寄せつけない孤高の天才を気取ってるかと思えば、寂しそうな顔をするし、何をそんなに生き急いでるんだと。自他ともに認める天才は何を求めてるんだと。
あと氷の技かっこいいなー、羨ましいなー。
気づいたら多分、目が離せなくなってたと思う。
そもそも目を離したら、彼はまた一人になってしまうだろうから。
私には、あの名も知らぬエージェントから彼を託された責任がある。
そう感じて、小佐古での窮屈な日々を過ごしてたんじゃなかろうか。
そうこうしてるうちに彼とチームを組むことが決まったけど、ファーストコンタクトは「穀潰し」呼ばわりときた。PLは笑った。
あんの野郎、貴族かってくらいの身なりの良さに対して口が悪すぎねえか…
まぁ実際寧々音さんもここで怒るほど、現実が見えてない訳じゃないんよな。
1人じゃ何も出来ない、誰も救えないような"落ちこぼれ"な訳だし。自己評価の低さ。
色々あって天才チルドレンと落ちこぼれエージェントの凸凹コンビが結成されて、事件を追う訳になるんだけど、話してみるとまーぁ拗らせてんだこの天才少年が。
けどそりゃそうなんだよな。肉親を失い、兄のように慕っていた仲間も失って、むしろこれでなんで毅然として過ごして居られるんだって。まだ16歳の子供がさ。許せないよ世界が。
RHOシーンで支部長の胸ぐらを掴みかかりに行ったのは完全にその場のノリでした。今思えばあの時から多分、彼女の憤りがPLと同期しちゃったのだろうね。
そんなこんなで迎えた最終局面、1人じゃ絶対敵わない相手に虚勢を張る錦戸寧々音。
PCの心情としては、いざとなったら自分が第二のカンナになる気満々だったと思う。この女、自己犠牲を厭わなすぎる節がこの時点である。
が、そこは隣に居る天才少年は何を隠そうこの物語の主人公なんですよね〜。過去を乗り越えて成長し、かつてのバディと急ごしらえの相棒と共に、無事事件を解決。めでたしめでたし。
この時点で錦戸寧々音はカンナから託された責任からでなく、自分自身の意思で常冬 驪王を見守ろうという心境の変化がありました。
驪王くんや晴ちゃん、小佐古支部を新たな自分の居場所として過ごしていこう……と思った矢先に
日々出晴英の死亡通知はいドーーーンねねねさんの情緒ドッカーーーン
オイオイオイオイオイ、さっき打ち上げいこう言うたばっかりですよ。なぁにがサポーターとしての立ち回りを教えるじゃお前オォン
正直PLが晴ちゃんに入れ込んでたのがあってここはガチ凹みした。多分寧々音さんもキてたと思う。
そんなこんなで合流したコバルト組、突如として失う記憶、居るはずのない存在……。
乃々音出してもいい?と言われて身構えてたけど、ダイレクトアタックはやっぱ痛いんですわ。心。
なんでそんなケロッとした顔で出てくる訳GMの演技が絶妙で、掴むに掴めないような反応しかされないしさぁ〜。なんなのもう。
しかも戦う羽目になるとか聞いてない。
戦った挙句、背中を押されるとかもっと聞いてない。ここ多分錦戸寧々音的にパフェグレ内で一番のターニングポイント。(後述)
夢を終わらせて改めてコバルト組と対峙。
この人ら〜〜〜情報を最後まで共有してくれない〜〜〜
けど2人の報告を聞いてさぁ、何かイマイチ実感がわかなかったと言うか、よくも晴ちゃんを見殺しにしたなって心では感じてたと思うのに、ここで「ここで衝突してしまうと前に進めなくなるかも」っていう気持ちが先行してすんなり受け入れちゃったんだよね。
後から思えばPL的にもPC的にも、ここでもう少し突っかかっておくor驪王くんに突っかかってもらうチャンスを作れたら良かったなぁ〜と、心残りに思ってる。あの二人なら受け止めてくれてただろうし。
そんなこんなで迎えたラスボスの館。
錦戸寧々音、紛うことなきお荷物である。何たる屈辱か。
いかんせん皆タイプは違えど攻撃型、豪快に館の中を進んでいく光景はさながら魔王城を攻略に来た勇者パーティ。
いやほんっとにここの場面申し訳なさしか無かった。唯一それなりに高かった技能も揚羽さんの方が高いし。
寧々音さん要るかなこれ?
初心者マークのPLは無力感を感じながらも館を進むと、やっとこさ活躍できそうな出番が。出番だ
鍵を見つけたタイミングで胸をなでおろしたね。危うく勇者パーティからお荷物だと追放された寧々音さんの放浪記が始まるとこだったよ。
全てのギミックを突破し、いざボス戦。
ミカタ、ツヨイ。オデ、ナニモシナイ。
固定値がな、強いんじゃ、みんな。すごい。
咄嗟のことにも対応してくれるし。何あのレネゲイドビーイング、戦い方すっごいかっこいい。詠唱はダメだって〜〜〜心惹かれちゃうじゃん〜〜〜。
とか思ってたら戦闘が一瞬で終わった。
小佐古の天才チルドレンに、武上のスーパーエリート、更には最終兵器て。小佐古の落ちこぼれがいる場所じゃないってコレ。
とりあえず唯一とも言える仕事、グリィズルの解放を完了。と、ちょっとだけ会話。
ここ寧々音さん的には、もう居ない人の幻覚を見せることに対して、他の皆はあまりいい印象を持ってないと思ってて、
ただ自分にとっては、乃々音ともう一度会えて言葉を交わせただけでも、十分過ぎると考えてた。
だから周りに聞こえないように、ありがとうって彼に伝えたかったんだよね。
その後、相棒との帰り道。
ぼかぁね、寧々音さんと驪王くんが並んで小佐古支部に帰ることに生きがいを感じてやってんだよ。
彼から、お前も自分が独りだと感じたことはあるのか〜って問いかけがあったときはめちゃくちゃ悩んだ。多分寧々音さんも悩んでくれたと思う。
だってさー、よりによって驪王くん相手に「独りだと感じてた」なんて言える訳ないじゃーん
乃々音という大切な妹を失ってるとは言え、自分には両親も居たし、友達も、多分恋人もいた事だってあると思う。
そんなやつが独りだなんて口が裂けても言えねえ
という訳で回答としては「辛い時期はあったよ。けど今は寂しいなんて思わない」としました。
……今見返してみるとここのシーン、ちょっと歳上お姉さんヒロインムーブしすぎててダメだった。おい寧々音、お前後からとんでもない事になるぞ。お前がまいた種だからな。
パフェグレでの寧々音さんは、「私のせいであの子を救えなかった。だから私は前に進む義務がある」って考え方から、
「あの子が頑張れって言ってくれたから、私はこれからも前に進める」に変化しました。
やることは変わらないけど、ポジティブになれたよ。やったね。
そして錦戸寧々音は次なる舞台へ歩を進めることとなる。
アウトサイダーズアクシズ。
何を隠そうこのシナリオを踏破しちゃったせいでこんな駄文を書き記すことになってるんだよなぁ。PLの情緒はもう粉々よ。
右腕は吹っ飛ぶし片目は失明、このまま行けば呪いによる死が確定。
やっとの思いで巨大ジャームを倒したはずなのに浴びせられる罵声。なんなんだ。寧々音さんが何したってんだよ
アクシズ、初めての寧々音さんPC1ということでかなり気合いを入れてた。
イラストも勿論そうだけど、セッションまで特に時間をかけて悩んだのは「寧々音さんのしたいこと」とは何ぞやという点。
この人、もう人生の使い方がもう自分の為じゃなくて、誰かの為にシフトしてる気がしてて、我欲みたいなのが一切見えてこなかったんよね。
言ってみれば子供を持った親のような生き方に近い。
そんな寧々音さんが、命を賭してでも成し遂げたい事と言えば「守るべきものを守る」しか思い当たらなかった。つーかそのためなら気軽に命賭けてる節ある。
ゆかりちゃんに送り出されるシーンも、帰ってこない覚悟をキメて話してた。間で表現出来たらな〜と思ったけどやっぱり難しいわ。
アウェイ感半端ねえパーティ会場でかつての戦友、炯眼の魔女こと麻友咲ちゃんと武上の皆が居てちょっと心が緩む。嬉しい。
麻友咲ちゃんに対しての感情としては、若いのに凄いなぁ〜、私がボロボロになって戦った相手を一撃、弱点が付与されてる出来レースじゃなくても2、3発で仕留めるってナチュラルに言っちゃう辺り、本当に素晴らしいエージェントさんなんだな〜ということで憧憬。憧れちゃうぜ。
実際パフェグレで驪王くんや武上2人の戦いっぷりを目の当たりにして、自分じゃレベルが違う、と思い密かに特訓をしてた。
その成果が《黒星粉砕:過負荷》。
それはそれとして、女性としては麻友咲ちゃんと仲良くしたいと思ってる。感覚的にはちょっと歳の離れたしっかり者の妹みたいな。
インスタとか繋がりたい。いつかゆかりちゃんや晴ちゃん、伊比津支部長も一緒に女子会したいなって思ってる。
そして妹という単語が出てきたので触れておきたいのがワーロック。
なんかもう本当に奇跡だと思うんだけど、まさか「生き別れの妹設定」が被るとは思わないじゃんそんなの口走られたら晴ちゃん関係なしに寧々音さん反応しちゃう。
だからEDにアドリブで彼が出てきてくれた時、そこだけは触れたかったんだよね。
貴方がどうしたいかは自由だけど、大事にしなさいよって。似た境遇にいる人間として。
情報を集め、傷を癒し、万全の状態で臨んだ最終決戦。テンションのボルテージが最高潮に達してるのが自分でも分かった。
マゼンタ、パフェグレを通して、自分の意思で人と繋がりを持つことを恐れなくなった寧々音さんがここでぶつける気持ちは「私の見つけた、私の居場所を守る」の一点かなぁと。
天才チルドレンの驪王くん、
孤高のエリート、麻友咲ちゃん、
武上の最終兵器、揚羽さん、
彼らの戦いを見て、少しでも追いつきたい、並びたいという気持ちが錦戸寧々音の心に火を灯してます。(サビなので2回目です)
「私だってやれる、私自身の大切な物を守れる"ヒーロー"になってやる。」
そんな気持ちを胸に秘めて、PLPC共々命を燃やしてました。
また、例のクライマックスのくだりについて隠し設定の話をば1つ。
防御無視の全体攻撃は驪王くんから、
クールかつ強気な口調は麻友咲ちゃんから、
自らを奮い立たせるための詠唱は揚羽さんから、それぞれ寧々音さんが意識して取り入れたという裏設定があります。
恥ずかしいから本人からは言いません。
以下あんまり触れてなかったNPCに対しての感想集。
・隻腕と見るやいなや即エスコートしてくれる伊比津支部長(和御魂)すき。武上支部に転属します。
・儚げショタから元気なガキンチョにジョブチェンした星彩くん、今回の癒し枠。今度は食べ放題の所に連れてってあげようね…。
・優秀エージェント、優秀。いやほんとに。元から好きだったけど正直今回でPLは坂月の女になったよ。拡散する世界ほんま神。
・エニグマさん、見た目ちょっとファンキーで不安だったけど受け答えめっちゃ丁寧だし見下してこないし普通に超いい人だった。
・ゆかりちゃん、支部のこと任せてごめんね。魔女様のサイン貰えなくてごめんね。心配かけてほんとごめんね。
・アッシュ、お前ただ嫌味なだけの奴かと思ってたらガチのワルモンやんけ許さんからな
・テレーズちゃん、嫌味っぽいこっちの発言に対しても謝罪じゃなくてお礼が言える育ちの良さが伺い知れた。やりおる。
・加賀くん、言いがかりはよせ。
以上。
さて、人として、UGNエージェントとして成長し、隠し部屋の番人を卒業、新たに授かった冥界女王というCNを引っさげた寧々音さんを待ち受ける次の試練は……
ひとまず、バディから向けられた熱くて重い気持ちかな
さらに余談です。
実は寧々音さんのテーマソングは最初から決めており、ナナホシ管弦楽団さんの「IMAGINARY LIKE THE JUSTICE」という曲を基盤に作ってたりします。有名な曲だし知ってる人もいると思うけど良かったら聴いてね。
https://nico.ms/nm18907257
これまでサブの立ち位置に居たのでそれっぽい場面を演出できず、この曲に相応しくないなと伏せていたのですが、今回のクライマックスを経て、この情報公開してもいいなと。曲に向き合えるなと思いました。
寧々音さん、俺は貴女のことカッコよかったと思うよ。