【あのSランク冒険者、妹がいたらしい】「受付が騒がしいと思ったら…!」
カレーリナのギルドマスター、ヴィレムはむさ苦しい男達に囲まれて困り顔をしている中心人物を見つけて溜息を吐く。
「アンタか」
「すみません…」
「いや、アンタは悪くねぇな。ほら、仕事の邪魔だ!コイツは今仕事で来てんだ。ナンパなら外でやってくれ!!」
大股で人混みに駆けより、片っ端らから男共を散らしていく。
ホッとしたように息を吐く小さな唇。
でも次の瞬間にはもうニコリと可愛らしい笑みを浮かべていて、散らしたはずの男たちが振り返っていた。
こんなの、溜息もでたくなる。
「…ったく。お前の兄と良い…何でいつもこう人を寄せ付けるのかね…」
「うーん…ギルドに私のような一般女性がいるのが珍しいのでしょうか」
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