あたまのゆるいいちゃらぶたるしょ「公子殿…」
鍾離先生がおずおずと言った様子で甘えてくる。
あまりにも可愛い。可愛すぎてクラクラしそうだ。俺の先生は今日も可愛い。
そうして俺は、口元をゆるゆるに緩ませ、鍾離先生を受け止める。
「なぁに?先生」
「公子殿……その……」
「うん?」
「……う、うむ、なんでもないぞ」
鍾離先生が顔を真っ赤にして口篭る。石珀色の瞳をふいっと逸らして、耳まで真っ赤になってる先生が可愛い。
何がしたいかバレバレなのに、恥ずかしさが勝ってしまったようだ。そんな先生も可愛い。
「もう、どうしたのそんな可愛い顔しちゃってさ」
「かっ!?いや、これは違うのだ!」
「あー、照れてるんでしょ?ホント可愛いね〜」
「〜ッ!公子殿!」
鍾離先生がキッと睨みつけてくるけど全然怖くない。むしろもっと可愛くなるので困ってしまう。本当に可愛いなぁ。この人こんな可愛い人で大丈夫なのかな。心配になるくらいだ。
俺は今にも泣き出しそうなほど赤く染まった頬をするりと撫でてみる。すると、びくりと肩を震わせながらも抵抗する気はないらしい。
「こ、公子殿っ…」
「ん?」
「……その……」
「なぁに?」
優しく微笑みながら聞いてあげると、鍾離先生は俯きがちになりながらぽつりと呟いた。
「……ぎゅっとしてくれないか?」
ああ、もう!なんて可愛いんだろう!俺は衝動的に鍾離先生を抱き締めた。
「っ……」
腕の中で小さく驚いた声を上げる先生を強く抱き締めると、控えめに背中へと手を回された。
「先生好きだよ」
「……俺も好きだぞ」
「ふふっ先生は俺の事大好きだもんね?」
クスリと笑って言うと、少しムキになったような声で返される。
「それは…公子殿の方がよく知っているだろう」
「まぁね」
確かにそれはそうだ。だって鍾離先生のことなら誰よりもわかっている自信がある。
そんな鍾離先生が可愛すぎて今日も幸せな1日になりそうだ。