【航跡】についてアガルタでの話は、まずレジスタンスのライダーの魅力が伝わればいいなと思い、好きなシーンをピックアップしました。ネバギバ精神が良くも悪くも作用するところを見せつけてくれたのも良すぎる。根っこにある真っ直ぐなその精神に惹かれたからこそ、裏切られてもそこが揺らいでないからこそ、納得して割り切って倒せたのだと思います。改めて年単位で煮詰められた解釈の整理もしてたのですが、これをフォロワーさんに指摘されて照れました。「こんなジジイの顔見てても楽しくねぇだろ」いいですよね。
アガルタでの出会いがあった後「今回の航海にゃどんなお宝が待ってんだろうなァ」って言われたらバリバリ警戒するでしょ、という事を飲み込んで笑顔で受け入れるのが藤丸立香。ここが強さであり脆さ。好きになったきっかけも嫌いなところも全部その笑顔。レジスタンスのライダーからすればあの世界の王になるためにカルデアは利用できたらラッキーくらいの存在だったわけですが、カルデアに召喚されたコロンブスとしてはマスターの生存は絶対条件となり、「人類最後で唯一のマスター」を自分の夢に組み込まなければならない。しかしそれがどうしようもないお人好しで、そんな脆さを見せるものだからとんでもないバグを起こして、誰かにぶっ壊されるくらいならと衝動的に錨を下ろしました。
幕間とバレンタインで解像度爆上がりしたのですが、レは自分も相手も何かと客観的に見ようとしてて、欲を軸にしてるので好き放題やってるように見えるんですけど、どんな動きでも基本は計算しながらやってる気がするんですよね。
なので計算できない利益のない好意とかで行動されると、馬鹿で便利なヤツだなと驚きつつも、そんな未知の部分に自分でも気づかないうちにワクワクして、自分と似たような諦めない目に親近感を抱きつつ、絆されていくんだろうなと思います。
そんな流れで気づけば絆3です。幕間解放もこのタイミングだし二人の関係性が明確に変わったのはこの辺りだろうなと思って運命構図を入れました。今ここでFateになった。お前のために神に祈る。そして彼が欲を満たせるような大きな夢を与えられる立場にあるのが、マスターという事も事実なので、ただ同じ船に乗るのか、自分の船に乗せるのか、目的地に行くための道具として扱われるのかは、この時期が分岐点な気がします。個人的には「コロンブスを自分の船に乗せる」「お前の船に乗ってやる」とお互いが思っているような、いつひっくり返ってもおかしくない不安定な対等さに落ち着いていたら嬉しく思います。手綱を握らせてやっている。
そしてバレンタインも絆3台詞同様コロンブスの卵関連だしという事でこの二つを繋げてみました。出だしのじゃれ合いが可愛くて好きです。
『何もしてませんね?』に対しての答えが「お前さんのサーヴァントとして自分のすべきことをしている」
『何もしてませんね?』って口調もかわいいし何もしてないことを前提としてる聞き方に信頼の上での軽口ってのがにじみ出てるのもイイんですけど、それよりもコロンブスのその答えはつまり”藤丸立香のサーヴァントである”という自覚があって、そのうえで何をとは明確に言わないけれども自分のすべき事をしている。
これが中立・悪のパワー
チョコ貰った後の「おお?」っていうまさか自分が貰えると思っていなかったんだろうなという反応から素の笑いを見せて「あんがとさん」までの流れが五億兆点。更にお返しは藤丸立香の性格や最近の会話を踏まえて何を求められてるのか考えた上で、自分の掲げる信念を特別に形にして見せてくれたのは”お前さんは俺を正しく理解してくれよ"という願いにも思えます。何にしようか迷ってる間及び卵を立てている間はずっと藤丸立香のことを考えてたってことだから大変ですよ。それはそれとして、原価を安く済ませ自分の考えを改めて示す機会にしつつ、努力と話題で価値を引き上げるところにも彼らしさを感じました。この本全体が幕間のアンサーソングとなるように最後に答えを持っていきたかったので割愛していますが、イメージとしては絆4台詞の後に幕間のやりとりが入ります。
何度も話している幕間についてなのですが、解放条件が再臨2回、絆レベル3、亜種特異点Ⅱクリアなので
「見た目の威厳てェのは意外と大事だぜ、部下に舐められちまうからよォ」
「らしくなってきたじゃねぇか。長い航海、これからもよろしく頼むぜィ」
「あんまり人の下に付くのは慣れてねェんだがよォ…。まぁ、よろしく頼むぜ」
「召喚されたからにゃぁ、ある程度はお前さんのスタンスに従うがよォ。同じように、ある程度は俺のスタンスも理解してほしいなァ」
「なに?卵の底の殻を割って……?立ててねェ、立ててねェ。俺だったら三日三晩かけても普通に立てるっての。諦めなきゃあいつか立つってことを示したほうがよっぽど有益だろう」 を聞いている事が前提ですね。
冒頭、「頼みがあるんだ」と言われて疑惑警戒の視線を向ける藤丸立香と、それを軽く流しながらも「上手い具合に俺を働かせてくれる限りは忠実なサーヴァント」と締めるところは締める会話が、利害の一致の中でお互い譲れないラインがある彼らの関係性を表しているように感じます。
そして「カルデアの空気を悪くしない為に」「”マスター”であるお前さん」「特別な存在」と言うことでついてきてもらう理由をガッチリ固めたり、マシュも巻き込んでちゃっかり証人を増やしたり、自分の肩書きはなんだと思うか聞いて「つまりはそういう話」と嘘は言ってないけどちゃんとした真実も言わない。海賊会での「俺は海賊かなぁ?」という否定ではなく一瞬考えさせるような言い方もそうなのですが、ズルい話し方をするなぁと思います。 「免許のない海賊行為は犯罪」というのは、悪いことだと思っているワケではなく、ダメって言われたからダメなんだってのを過去の話を混ぜて、まるで反省してるかのように言ってるだけですしね。パッと聞くと海賊からしたら確かに臆病者かもしれませんが、決まりは守りますというマスターへのアピールがあるのと、多分本心としては『だから俺がトップになって法を自由にできる新天地に行きたい』なような気がします。でも片付いた後にちゃんとお礼が言えるのは偉い。
商人会ではどんな犠牲を払ってでも「最大の利益」を求めるギャンブラー性についての話。「リスクを考えて歩みを止めたくねぇ」って言ってたけど、だからと言って何もしないのではなく、日記を二重に書いたりはしてるんですよね。前だけを見て走り続けはするものの、炎の中に宝があるが防炎服なんて探してたら宝が燃えちまうかもしれねぇ!水を被ってダッシュ!みたいなその場でできる事はやるし、どうにか生還だけはしてやる的なガッツがありますよね。最終的に俺が最大利益を得ていればよいというのは、全賭けする気持ち良さが一番の目的ではなく、ただただ止まると死んじゃうマグロみたいなものなんだなと思いました。その中で得られるものは全部得たいという強欲。特にサーヴァントコロンブスは最終信じるものが神から貰った俺の運ってのが最悪で最高。
悪人会では「悪人とは思ってねぇ」って堂々と断ってるし海賊会での犯罪の話もあって、本当にそう思ってるのかコイツ…ってなりますね。 ただまあ教授は流石にこういう話術には誤魔化されないのでちゃんと「今と過去」について突っ込むのですが、ヤングでフレッシュでミートなごくごく一般的なメイド・イン・ジャパンの物差しなんて「見えない」と言います。
話の中で、ぐだが「今の台詞が全部じゃないかも、だよ」と言うのが絆2の実行、ここまでコロンブスが同行させてきたことを踏まえて、まだハッキリとはわからないけど理解しようとする努力が見えました。ここで言い切れるようになる頃にはその物差しが見えるように使えるようになっているのかもしれない。
そして前二つの会は理由として「海賊かなぁ?」「商人でもねぇかもなあ」とふわっとさせておきながら、ここだけは「今ここにいる俺は、今ここにいる俺の事を悪人とは思ってねぇ」と断言してますね。
今すぐ藤丸立香を裏切らないということが事実なのと、在り方が過去も未来も変わらない海賊と商人と違って、価値観の変動する悪を「今」と言うことで、教授の言ったように過去の事は除外しつつ、また「今は従ってるけども、未来はわからない」という事なのだろうなと思いました。
「代金をもらってもいいですか?」に対してケチくせぇとか言って渋るわけでもなく笑って対応してくれてるのを見るに、俺のマスターとして扱っていいのか?と値踏みしている最中で、誤魔化しに流されないかも一応と言いながら引っ掛けてきています。
善悪にも肩書きにも当て嵌められず、「夢から降りなかったからライダー」という解釈もまた、この枠組みに囚われない彼らしさがあり、進み続けてさえいれば目的地に必ず辿り着けるという彼の信念はぐだに似通っていて、かつぐだに必要なものと言いますか…
世界を変えたとか、いい事したとか悪い事したとか、彼にとっては結局のところどうでもいいんですよね。「俺の夢」さえ追いかけて叶えられれば。だからいい人ではないけど場合によってはいい味方にはなってくれるんです。 最後に宝物庫の約束を取り付けつつもお礼を言えて偉い。
ここでぐだマシュは納得したのですが、この後最悪最高どんでん返しがある訳です。この野郎。
モリアーティとお互いにあ〜コイツそういう奴ね〜〜〜と利害が一致するような出し抜き合うようなある意味理解し合っている関係になったかな。
最初の「通りがいい名前で言うなら」で終わっていたらここまでか…でそれ以上踏み込めなかったと思うし、逆にこの裏まで突っ込んで来ていたらめんどくせぇになると思います。その気にかけ具合がちょうど心地いいんだろうな。
幕間もバレンタインもマスターに対して「俺の考えはこれな!理解よろしく!」なので表面上は結構好意的で、「お前さんはマスターだが、同時に相棒でもあると思ってるんだぜ。失望させねえでくれよな」とも言っています。相棒なんて言うと聞こえがいいですが、この『俺を理解しろ』の圧から絆4あたりまでは彼が求めているのは自分を理解してくれる都合のいいパトロンなんだろうなと感じられる訳です。だから「相棒みてえなもん」に留めてそうだとは断言しなかった。お互い理解しよう利用しようとしている微妙な距離感で大好きです。
いつか絶対やろうと思っていたレジぐだお前が出品する側なのかよ闇オークション。ここ好きと言ってもらえて嬉しかったです。私も好き。
その傷跡は軌跡で功績で価値があるのだと、実際に利益が出るわけでもないのに数字を吊り上げて、お前はこんなにすごいんだと証明することが、この時点で彼ができる精一杯の愛情表現なんですよ。どんなにデカい数がついても満足はできないそれが、愛だとはまだ気づけてもいないけれども。
二人の事を完全に信じていなければならない作戦に乗るという行動が伴うことで、疑り深い彼に信じているという言葉が上辺だけでなく真実なんだとブッ刺さるんです。その先の理解からくる言葉も。ちょっと前まで「相棒みてぇなもん」だったのに、絆5では「最高の相棒」と言い切った上に建前もなく自分の欲望を言っているのだから、コロンブスの中で何かが変わったのでしょうね。ちなみにここで教授も絆4になっています。どこまでも真っ直ぐで純粋な「信じてる」が突き刺さってしまった悪いおじさん達。
「この出会いをしていなかったらどんな関係になっていたのか?」という事を二人に考えてほしかったというのも本を作ろうと思ったきっかけで、プロトタイプを一度描いていて、そこに前日と後日の話をつけるだけのつもりがまさかここまで長くなるとは…。以前アンソロジーでもこの会話をしていたのですが、あの二人は終局特異点前から一緒にいるからか「もしもなんて考えても無駄だし、出会いもしてない世界なんて考える価値もない」という結論に至りました。では、先にアガルタで別の出会い方をしている二人はどんな答えを出すのか。コロンブスは「もしもなんて考えても仕方ない」という似たような結論なのですが、その言葉を良い意味に受け取ってもらえるような関係の築き方をしていないのでダメです。ダメな受け取り方をされているのがわかってないのもダメです。dis communicationだとしても「相手の考えている事がわからない」という相互不理解を極めて「考えている事がわからないということを理解している」となって共にいることを選んで相棒と呼ぶのなら、それもまた愛の形になるのに。ちゃんと伝わればね。
そしてこれもやりたかった聖杯組大集合!来た順番は黒髭→シェイクスピア→テスラ→(終局特異点)→コロンブス→モリアーティ→道満です。黒髭はこいつらイジるのおもしろ~くらいのノリで思いついた事を実行に移しちゃうし、道満はイジるの好きな上に嫉妬についての説得力がピカイチだし、テスラと組む事で技術力がゴリゴリに上がるし、シェイクスピアの言葉はやはり心に残る。モリアーティは違う場面にもいるし出番確定してたけど他のみんなもガッツリ出せてよかった。柳生さんもチラッと捩じ込んだ。得意分野は違うけれど確かな芯を持っていて好きです。だから普段方向性の違いで分かり合えていなくても、目的が合致して団結するときはちゃんとする。
そんな彼らの活躍でまた記憶をすっ飛ばしたコロンブスと藤丸立香が出会い、「ライダー」と呼ばれたことで即記憶を取り戻すわけですが、ついさっきマスターだとわかる前に見た時点で自分はこいつに惹かれていて、この気持ちは宝を前にした高揚感ではなく、ただの恋だったのだと気づきます。つまりこの本で3回一目惚れをしています。やったぜ。
滅茶苦茶にしていることもされていることも全部ひっくるめて最悪だってなってる表情すっっっっっげ良くないですか?赤面抑え気味なことにフォロワーさんが心配してくれていましたが、ここからフィーバータイムに突入します。なぜコンキスタドール部分が暴走していたのかって、そりゃ奪う側だと世界に認識されている一面があるのに心を奪われてしまったバグだよと気づいてしまい、思考の制御ができずに大暴れしている姿、愉悦。
モリアーティはそこを新宿で乗り越えている記憶持ちだから「楽しかった」というヒントが出せるし、なんでこんな大すれ違いが起きてるのかもなんとなくわかっていて、一番マイガールの為になる選択肢を選ぼうとしてくれています。なぜ彼なのかという問いに苦しそうに答えていたら、本当にどこかに連れて逃げていたと思います。ちなみに腕捲りをいちいち下ろすというよく見てないと気づけないような小さな事をするようになったのはバレンタインあたりからですが、その前にも木に座るときに上着を敷物にするという露骨な気遣いを見せるなどはしています。アピっている。
マスターじゃなくても好きになるという事が行動でも示せたらと思い、アガルタでの握手と召喚時に差し出したのは令呪のある右手(”マスター”として見ている)、記憶を取り戻した時に差し出された右手を取らない(立香は”マスター”としての自分が求められていると思っているが、コロンブスはそうではないと気づいた)、最後にはコロンブスの方から差し出された左手を繋ぐなどを意識して、何度か握手や手を取るシーンを描きました。
似たような法則としては、コンキスタドールに引っ張られている時は瞳を十字架にしたり、幕間の「変わらない物事に対してどの物差しを使うのか」をテーマのひとつとしていて、意識的に同じ言葉を何度か使ったりしているので、その辺りを気にして読んでみるとまた少し楽しめるかもしれません。
私が呼び名にアホほどこだわっている理由の一つとして、レジスタンスのライダーこと英霊クリストファー・コロンブスを、史実の彼とはかなり違う存在であると認識しているからです。具体的にいうとコンキスタドールに振り切ってる感じ。
そう感じた理由としては、コロンブスの卵はフィクションだと言われている(実際ゲーム内でも否定してる)けどスキルで卵食べたりしているし、ピンソンはともかく結構頼ってた弟への態度が幕間でのアレだし、「1時間毎に機嫌が変わった」とか言われてるわりに情緒は落ち着いてることから、後世でどう見られているのかが彼の存在にかなり影響しているのかなと。
本人的にも「俺じゃねえ俺がドコで何をやったか知らねえ」「今ここにいる俺」と幕間で話してるので、生前も別の場所で召喚された自分もしっかり切り離して考えているみたいですね。その状態で昔の物差しか、隣の一般的な物差しどっちが得か選ぼうとしてる、あるいは両方使おうとしてる所が図太いな…と思います。 多分本来は、功利主義の守銭奴で神経質気味って感じだったんだろうし、自分の意見が正しいタイプなので物差しは必要なかったんだろうと考えるとむしろ今の方が生前よりも話通じるのかもな。まあでも諦めなくて口が上手くて悪運が強いのは変わらないと思います。
コロンブスは"冒険家でありながら虐殺者"のように二面性についてよく書かれています。本来の彼は「神に与えられた崇高な使命のためだし、従わないのが悪い。金はあくまで手段だし」みたいなスタンスだったみたいなのですが、サマキャンでもちょっと触れていた通り、コロンブスはマルコ・ポーロの東方見聞録にある黄金の国ジパングも目指してたわけです。正しい事の為的なことを言ってるけど突き詰めたら我欲も見えてくるだろうなという感じ。 一方で前述の通り、コンキスタドール面が強く出てる(と考えられる)英霊コロンブスはだいぶ好き勝手してますね。幕間では海賊も商人も悪人も全部俺!と言ってます。単純で理屈があって厄介で、自分が気持ち良くなりたいという良くも悪くも人間らしい多面性を引っ括めて、英霊クリストファー・コロンブスなのだと感じました。
というワケで、本来の彼とは違う別存在の英霊であり、さらに藤丸立香の隣にいる姿そのものを強調して「ライダー」と呼んでいます。だから意識がコンキスタドールに引っ張られようとも呼ばれれば戻ってこれる。傷跡に価値を感じながらももう傷つかないでほしいと願ってしまっている。二人はここで初めて正面から向き合えたのだと思います。
そんな彼に「何を目指すのか」と聞かれて、相棒として立香が出した答えが”果てしない夢”です。向かい合った後には横に並んで同じ方向を見てほしい。
ずっと考えていた事を本にすることができて嬉しかったです。次は消化しきれなかった台詞や悪夢のクリストファーの本を出したい。
装丁についても色々褒めてもらえてかなりハッピーです!表紙の紙は光に当てるとうっすら金色に光るし、金の小口染だしでお宝感マシマシなのは勿論大勝利ですし、どの表情も表紙に持ってくるにはしっくりこないと悩んでいたところに友人がお手伝いしてくれた最高オシャ表紙!濃い青から緑がかった淡い青へのグラデーションで、星空と海の境が混ざっています。タイトルロゴの後光は藤丸立香をイメージしたオレンジ、裏表紙には船と帯で隠れる場所にひっそりと蝶がいます。※帯は数量限定でした
波をイメージした帯には作中のセリフが2つ重ねて書いてあるのですが、「どんなお宝が」の所に夢を重ねる事でコロンブスにとっての"お宝"は"夢"であり、延いてはそれを共に追いかける藤丸立香だという事を表現しました。夢を不自然な黒塗り白抜きで居心地悪く目立たせて、キーワードはコレだと誰がどう見てもわかる感じにしたかった。なってるといいな。帯裏はコロンブスの行動原理は変わらないという文です。結局あの航海も賭けだったし、この航海がどうなるかだってやってみなくちゃわからないよね。
帯の折り返しは始まりの言葉の「相棒」「ライダー」です。立香がクリストファーでもコロンブスでもなく彼自身を見てライダーと呼んだからこの二人の物語は始まったし、相棒と呼んだからこれから並んで新たな旅を始められる。表紙2.3に印刷されたタイトル通りの航跡波と、相棒になった笑顔の二人とそれぞれ合っている感じがしてお気に入りです。タイトルは二人の歩んできた軌跡を辿る話である事と、これからもそうして進んでいく事から「航跡」になりました。
いつかきっと終わりが来てしまう旅だとしても、最後の瞬間まで諦めずに信じ続けていてほしい。そしてそんな想いで刻まれた跡には、意味も価値もあると並んで歩いてほしいです。
本編だけでなくここまで読んでくださりありがとうございます。少しでも熱意が伝わっていたら嬉しいです。
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