ALL I DO PAYS FOR ' 黙示録が訪れたとき、世界はどのような姿になっているのだろうか。
敬虔な信者や陰謀論者、そして暇そうに時間を浪費する学生にまで通じるこの擦り切れた問いには、いつも空虚な妄想でしか答えられないものだった。 世界の終わりを直接見た者は誰もいなかったからだ。 しかし、今ならラインハルトが答えてくれるはずだった。
宇宙は逆行し始めた。 泥と埃の中から起き上がり、かつて備えていた形を取り戻した生物と無生物が、やがて幼く、無垢であった、きれいな新品の頃に戻り、やがて発生以前の状態に戻る。 天地万物は、存在を撤回し、事象を巻き込み、無数に伸びた可能性の枝を刈り取りながら、一つの点へと収縮していた。 まだ何も起きていないのだから、間違ったことなど何もなかった太古の原点に回帰しようとするかのように。
複雑に絡み合っていた世界が、従来の単純で巨大な不在になるまで、ラインハルトはその場に一人立ち、宇宙の終わりを見守った。
「獣殿」
呼びかける声に、ラインハルトは目を開いた。 視界の真ん中に、黒髪を長く伸ばした男が立っていた。 嘲笑うような表情の上に、どこか疲れたような表情を浮かべているのを見て、ラインハルトは不思議に思った。 自分でも理由がわからない行動だった。
金色の瞳がまぶたに覆い隠されたまま、完全に覚醒していない頭が、夢なのか現実なのか見分けがつかない情景を繰り広げる。
黒髪の男の後ろから教室が現れる。 みんなの頭上に数字が浮かんでいる。 先ほど夢で見た世界は、ラインハルトがすでに遠い昔に立ち去った場所だ。 彼は誰かと互いの全てをぶつけた後、戰火の余韻の中で崩れ落ちる体で崩れ落ちる世界を眺めていた。
そして次にラインハルトが重いまぶたを下ろし、しばらくしてゆっくりと持ち上げたとき、目の前に広がるのは見慣れた世界だった。 慣れすぎて、もはや吐き気がするほど繰り返されたような気がする世界。 慣れ親しんだと言ってもいいかもしれない。
いつの間にか目の前にいた男の黒髪に黄色いリボンが結ばれていたのか、ラインハルトは無意識のうちにその疑問を逃した。 聞き覚えのあるノイズが視界を侵食していく。
「......ああ、カールか」
これでいいのだ。 ラインハルトは先ほどまで思い浮かべたことをすべて捨て去った。
ノイズが現れる前に、友人の頭上に延々と続く数字を見たような気がしたが、今のその場所には変わらず、正体不明の記号が刻々と変化しながら揺れているだけだった。