Der Friedhof古い経堂に向かい，ラインハルトはあたりを見回した. ずっと前に捨てられた士官学校に付いていたという小さな建物は、学校が用途破棄されがらんとしてしまった後も、その隣にぽつんと残っていた。 当然のことだ、一人で旅立つはずがないじゃないか。 彼は突然頭の中に浮かんだ考えの糸のないところに笑いを浮かべた。 着ていた司祭服の着こなしを直し、彼は金色の瞳を周りに向ける。 屋根越しに見える空は、真昼にもかかわらず、薄暗い灰色だ。 その下、すぐ崩れてもおかしくない経堂の建物の周りに枝がやせ細った裸木とともにそれらがあった。
ラインハルトの目を引いたのは、中途半端な土の墓だった。 建物と似合わない墳丘4、5個が遠くに見える共同墓地からこっそり抜け出して神を祀った場所に近づいてくる形で並んでいた。 他言を吐くように厚かましくも一方ではひどくかき混ぜるような隊列を整えてこちらに前進する姿からラインハルトはその粗末な土の墓にまつわる数奇な事情を察した。 彼らのための一言を詠んだ後、彼は聖堂のドアを開けて中に足を踏み入れた。
硬い木のドアを無理やり引っ張って開けると、気になる音がした。 ドア枠から立ち上った土ぼこりに噴き出す咳を抑えようとした甲斐もなく、司祭は何度かゴロゴロしてしまった。 ほこりの雲が少し沈んだ後、目を細めて見た聖堂内部は怪怪しかった。 野窓から斜めに入ってくる薄い日差しが空気中に漂う粒子を照らす。 信徒のための座席が数列並んでおり、その前には壇上がある。 それだけだった。 内部は古くてほこりに濡れただけで、以前もこのようにシンプルな姿をしていたはずだ。 ふと割れた窓から持つ晩秋の涼しい風に司祭は結んでいた灰色のマフラーをしっかりと締めた。
経堂を出て裏庭に戻ると、地下に通じる入口が見えた。 片手に持った荷物カバンから石油灯を取り出し、明らかにした司祭が素早く光を放ち、暗い通路を歩き始めた。 頭をぶつけないように腰を下げると、長く伸ばした金髪が前に数本流れ落ちる。 スーダンを汚さないように注意しながら、その一人がやっと通りそうな空間を進んでいた司祭は、すぐに靴底に階段と違う感触を踏み入れることができた。 床に何かが敷かれているようだった。 立ち上ったほこりにさっきよりもっとひどく咳をしていた司祭がやっと喉を整えて体を開く。 地下室の中では乾いたほこりのにおいがした。
実際、通路が狭いわけではなかった。 ラインハルトのように普通の人の頭の高さをはるかに超える長身でなかったら、かなり快適に通り過ぎることができただろう。 灯りを差し出して照らした地下室の内部もかなり広々としていた。 あちこちに布に覆われた形が置かれているのを見ると、倉庫として使われたようだった。 そして地下室の中に一歩を踏み出すラインハルトの足元に何かが引っかかった。 かがんで確認してみると、それは寝具だった。 誰かが寝床にしたように、乾いた敷物の上に枕や布団が乱れていた。
前任者が用意しておいた布団のように見えるが、最後にここを使った人は側室ネズミかもしれない。 司祭の住居がこのようにみすぼらしいのを見れば、ここに発つ時、彼の安寧を祈った子供は涙を見せるだろう。 しかし、子供の仮想的な願いが実を結ばなかったのが残念なだけで、寝床の状態自体はラインハルト本人に問題にならなかった。 この寝具の中にネズミが巣を作っても死んでいく老人がここを最後の憩いの場に決めてうずくまったり、司祭は愛情のこもった声で彼らにどうか席を貸してくれることを願うだろう。 息子のように思っていた孤児を大事にしているだけに、その子供の願いを可愛がっただけに金髪の司祭は他のすべてに対する愛も抱いていた。
その部分でふと彼は違和感を覚えた。 布団を覗いてみたが、下には何もなかった。 それはともかく、この地下室の中には虫やネズミが一匹もいないようだった。 停滞した空気をかき混ぜながら暗い空間を一周した司祭は、自分の考えが間違っていないことを確認することができた。 それなら最近までここに誰かが住んで管理していたのか。 怪しさに眉がおのずとつり上がる. 彼の知る限りでは、ここに誰も赴任していないのは何年も経った。 この経堂は信徒も司祭もなく書類上だけに残っていた廃建物に他ならない。 何より灯火で照らしてみたカーペットのほこりの上には、彼が残した足跡しか写っていなかったのだ。
物思いにふけっていたラインハルトは背後から気配を感じ、顔を上げた。 地下室の角、布で覆われた物の付近から聞こえてきた音だった。 誰かが隠れているとは思わなかった。 隠れようとして偶然出た音というより、自らの存在を司祭に知らせるためにわざと出した音のように思われたためだ。 今振り返ってみると、おそらく堂々とそこに立っているだろう。 それの正体が何になろうとも。
身を守るだけの凶器はなかったが、ラインハルトはゆっくりと立ち上がった。 彼を陥れた敵は、その余裕は自分が死なないという信念から生まれる生意気だと思ったが、実状は反対に近かった。 ラインハルトは、自分が今すぐにでも死ぬ可能性があるという事実を他の人よりよく受け入れただけだった。 つまらないと言っても、それが必然的にすべての必滅者の終点だ。 死ぬ直前まで、与えられたものをできるだけ愛していたなら、それでいい。 彼が明らかに見える謀略に一切抵抗せず、この墓のような地下室まで至った理由もまた、その延長線だった。 彼に対する敵意も、実際に殺すには非常に足りなかったし、他のすべてと同様に愛らしいものだ。
いずれにせよ、近くに音の発源地があった。 ラインハルトは最初に明かりを照らしながら、それが立っている角の闇を追い出そうとしたが、すぐに決心した。 石油灯を消すとあっという間に漆黒の闇が周辺を消す。 足元に灯を置き、ゆっくりと振り向いた彼の目には青く揺れる光が見えた。
その瞬間、外で誰かが彼を大声で呼んだ。 「神父様！神父様！」
階段の方を向いた視線を戻した時、光はすでに消えていた。 さっきとは全く違う闇の中に一人で残り、ラインハルトは理由の分からない悔しさを感じながら階段を上った。 地上に上がった時はいつのまにか窓から星明かりが降り注ぐ時間だった。 あの下でそんなに長い時間を過ごしたのかな？ 怪しさを疎明する時間もなくドアを開けると、どこかで見たことのある顔がラインハルトの目線より頭一つほど低いところに浮かんでいた。 よく見ると、それは松明を持った馬主だった。
かばん2つ分の荷物を置いた後、馬主は帰った。 1週間ごとにここに来るので、何か必要なものがあれば言ってほしいという要請とともにだった。 前任者の死体を片付けたのはあの人だろう、聖職者は立ち去る馬夫の背中を見てそう感じた。
ラインハルトはその時になってようやく自分が地下室に明かりを置いてきたことを思い出した。 再び経堂の中に入ると、地下室の入口に彼の提灯が置かれているのが見えた。 小さな灯りがぼやけた光を周辺に撒く。 そのためかもしれないが、地下室に潜んでいる闇が一層鮮明に見えた。