From the Other Side of the Apocalypseかすかに鼓動する心臓の鼓動を意識しては、青白い唇が失笑した。 今さら感じるにはあまりにも長い歳月走った心臓だが、目の前に広がる光が笑えるほど簡単に頭の中をかき分けて無意識の中に沈んでいたものを汲み上げる。 見慣れた空虚を土台に漂う数十億年前の恒星の光は今、彼の眼中になかった。 まぶたの後ろに消えて、今新しく現れる黄金の光彩が槍刃で心臓を貫くこともできる距離から彼を見上げる。 目が合った瞬間、相反する感情が湧き出る。 これは失敗の嘆きか、それとも…頭の中で言葉を思い出す前に、思わず開いた口の外にあふれた。
「ハイドリヒ、かわいい私の自滅因子」
こんなくだらない腹いせをしゃべるほど暇なら、今すぐにでも目の前の黄金とそれに伴う邪魔な群れを丸ごと片付けてしまえばいいのに。 彼の頭がそう思っている間も舌は止まらず、勝手に動いていた。 素直に計画通りになることが一つもないんだから、まして自分の身体末端までもね。 彼は心の中で嘆いた。
「私がお前に教える時、これも説明したか。 そうしなければならなかったかもしれない、お前は私よりも自分自身を知らないから。
お前みたいなものが嫌いだ。 思想から行動まで些細なこと一つ一つ耐え難いほど気になり、邪魔だと思うのだ。 しかし、その心はむしろ君を存在させる。 当然だよ。私のすべての意志に反することが一つくらいはなければならない。 そうしてこそ私は死ぬことができる。
お前は私を壊すために私が嫌悪するすべてのものを集めた癌細胞に過ぎないの。 私がそのように育てた。 ただ、毎日絞首台の階段を上っていた白痴を粉々にして、私が望むものを入れてまた傾いたのだ。 だからお前は私一体の地獄に過ぎない。 新世界なんかにあふれている。
私の手に作られた神威に、私が望む通りに作られた愛でなければ、今のお前に何が残るというのか。 そんなくせに私と対立することに意味があるのか？ 私に逆らうのはあなた自らを否定するのと変わらない。 さて、これで退場の時間だ」
むやみに振り回す言葉にも黄金の瞳は色あせなかった。 その事実に彼は少し絶望して安堵のような感情を感じた。 ヘビの毒のように落ちた嘲笑を平気で受け止め、ハイドリヒは見慣れた笑みを浮かべたまま宣言する。
「卿に立ち向かうことに意味があるのかと？ 愚問だ。敬の口で言わなかったか、私が何なのか。 それなら私、そしてすべての既存を産んで育てた万象の父親に、同時に私たちの盟約を守るために奔走した友に誠意を尽くすのが当然だ。
敬の率直でない言葉をあえて一つ一つ否定する必要はないが、少なくとも一つは訂正しなければならない。 そうでなければ部下と卿の息子に会う顔がないから。
私の愛は私のものだ。 そして私自身で言うと···…」
神の血を飲んだ聖遺物、その袋を持った手に力が入る。 友人に向かって狙う槍刃が傾き、一瞬目がくらんでしまうような鋭い光を反射すると同時に、彼の口からかつてない歓喜に満ちた響きが溢れ出る。
「卿を愛せそうだ」
黄金の獣が背負った全軍に共鳴するように声高が震えた。 金属の泣き声が聞こえるには遠い距離なのに、彼の耳に耳鳴りがする。 抑えきれない興奮が伝染してしまう。 いや、この炎はそもそも友ではなく自分の中で起こったものだと結局彼は認めてしまった。
ああ、そうだ。 神は嘆いた。 今目の前にいる相手を愛している、だから壊す。 それが優しく聞こえるラインハルトの独善だった。 この破壊に安住したい。 そう考える自分を否定できない。
触覚で留まっていた時代の彼が自らの死のために作った砦も、必ずこのような形をしていた。 どの世界の終わりでハイドリッヒが見せてくれた死を忘れられなかったのか、それとも自分が望んだ死を毎回友人に吹き込んでいるのか、どんな愛が先んじたのかは今になって分からないが…。 そうするには彼自身があまりにも矛盾に満ちた存在だろうが。
死者の城塞に集まった触楼の民たち、そして先鋒に立った死者の王がたてがみを翻す姿を目に焼き付けて万物の父は目をぎゅっと閉じた。 一瞬耳元で激しく鼓動する心臓の音だけが彼の感覚を支配した。 再び目覚めたとき、彼の瞳は青く輝いていた。
お互いを殺すために詠唱する声に心を奪われ、お互いの血を浴びながらその温度に安心する。 母親の胸に抱かれて泣き止む幼い子供より根本的に少しも発展したことがない本能の領域でお互いを食いしばる。 何度も繰り返したのか分からない世の中の終わりを迎え、再び崩れ落ちる瞬間がこの数万年よりはるかに生々しい。 死を目前にしてこそ人生を実感する自分の姿がどれほど滑稽だったのか、彼は爆笑した。 ハイドリヒの笑い声が聞こえると，なぜか止められなかった。 そして、お互いの肉体を切り取った場所がこの上ない人生の証拠でいっぱいになる頃に脳裏が真っ白になり、次の瞬間暗転した。
森羅万象が吐いていた息遣いが止まった宇宙は、この上なく静かだった。 彼は目を転がしてあたりを見回した。 彼らが打ち砕いた星から噴き出した残骸が浮かんでいる。 そして視界の向こうに相変わらず輝く金髪が入ってきた。 思わず伸ばそうとした手がさっき友人の窓に切られたことに気づくのに長い時間は必要なかった。
彼は残っていた反対側の手を伸ばし、友人の頭を抱きしめた。 半分ほど閉じた黄金色の瞳が顔に届く寒さを感じたのか、彼を見上げる。 その目は焦点が合わなかった。 そういえば、さっき投げた星の破片が友人の目の方をかすめたような気もした。 皮膚が裂けて血が流れる場所にキスをすると、ぬるま湯の温度が唇に触れた。 残り時間があまりないという意味だった。 世の中が逆行し、この特異点に本来存在すべきでなかった友人の残骸が散らばっていく。 まばたきした時は、すでに周りに散らばった光の群れと友達を見分けることができなかった。
どこからが幻想で、どこからが実際の感覚だったのか分からないまま、彼は周りを見回した。 ハイドリヒが本当にここにいたかどうかももう分からなかった。 友人が答えないことを知りながら空虚な風を持って歌ってみたが、予想外のことはなかった。 慣れた体観で望みと誓いをつぶやき、まだ色あせない自分の本当の渇望に少し驚きながら目を閉じて、再び目を覚ました。 山松荘に過ぎない状態で登る旅路は終わりが見えないように続いていた。